【カンブリア宮殿】なぜ人々はロフトの雑貨にワクワクするのか?

 

伝説の売り場を作った男~世界で発掘、ときめき雑貨

ロフトのバイヤーたちの格闘の始まりは、30年以上前にさかのぼる。
東京・渋谷。西武百貨店の裏手にあるのが、ロフトの最初の店舗、1987年に開業した渋谷ロフトだ。当初は西武百貨店の別館としてオープンし、それまでにない雑貨の専門店として異彩を放っていたという。

入社29年の営業企画部・横川鼓弓は、学生時代、渋谷ロフトに来店、「本当に衝撃的で、すごくびっくりしたのを覚えています」と言う。

特に話題をさらったのが、6階にあった売り場「ムービング」。珍しい海外雑貨を集めた「ムービング」が話題となり、ロフトには開業直後から客が押し寄せた。

「舶来のにおいがしました。その頃は海外のものが身近になかったので、見るもの全てが新しくて、ありとあらゆるものが雑然と置かれていました」(横川)

実はその「ムービング」を作ったのが、まだ28歳だった安藤だ。

「アメリカのジャンク雑貨みたいなものを集めたりして、うまくいけば宝箱だし、失敗すればゴミ箱になる、リスキーな売り場でした」(安藤)

雑貨で客を集められるのか……そんな不安と格闘し、安藤は世界中を駆け回った。

「ニューヨークから車でアメリカを横断してロサンゼルスまで行って、途中買い付けをしながら、荷物がいっぱいになったらロサンゼルスへ送って。メキシコでは警官からいきなり車を止められて『こんなナンバーでメキシコに来ていいと思っているのか』と言われたり(笑)」(安藤)

その買い付けは開業後も続き、安藤は客を飽きさせないように売り場を変化させ続けた。そしてそんな創業の格闘がロフトの理念を作り上げる。それが「時の器」という言葉だ。

「我々の企業理念は『時の器』。『モノの器』から『時の器』へと、ロフト自体が時代の変化を恐れず常に変化していく。それによってお客様の暮らしの豊かさや楽しさを提案し続ける」(安藤)
ロフトは変わり続けることで、生き残った。

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