常に新しい物事を追いかけがちな現代ですが、伝統的な教えの中に眠る真理が役立つことも多々あります。その内のひとつ、武士道の考え方の中にも括目すべきものがあるようです。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者の松尾英明さんが、武士道教育の「型にはめること」と個性について解説しています。
武士道は、型にはめられるところから
「武士道から学ぶ子育て」の石川真理子先生からの学び。
武士道は、型にはめられる。
これだけきくと、今の世間的にはマイナスイメージである。しかしである。これは、物事の基本を学ぶという段階において、大変意義深いことである。
バレエでもピアノでも全て同じ。型を身に付けることによって、個性が出てくる。型を押し付けることによって、個性が際立ってくる。
実は、個性を伸ばすための武士道教育だという。尖っている部分をより尖らせる教育藩校の武士教育では、才能のありそうなこと、得意なことを習う。
これは、裏を返せば「凹みも際立つ」ということである。その集団の中での、自分の凹みもわかる。すると、補い合うことがより必要になる。凸の出番である。凹があるからこそ、凸も生きるというものである。
ここで気付いた。せっかく尖らせても、凹を埋めようとすると、尖りが弱くなる。つまり、対比、ギャップである。短所の凹みが大きいほど、長所の凸が生きるという面がある。下手に凹を埋めないことである。
いわゆる短所と思われるものも、すべて特徴である。与えられた才能を、生かし切ること。頂いた魂をどう燃焼させるかというだけである。
個性伸長と型は、相反するものではないということ。武芸における「守破離」の段階は、やはり大切と感じた次第である。
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