かんぽ生命保険の不正販売問題で、同社は26日、保険業法に反して顧客に虚偽の説明をするなどした営業担当の郵便局員百数十人について、保険の募集人資格を取り消す「廃業」処分にする方針を固めたと毎日新聞が伝えている。近く発表する方針だという。
経営幹部の責任問題は認定せず
外部弁護士でつくる特別調査委員会(委員長・伊藤鉄男弁護士)が26日、追加の調査報告書を発表した。報道で問題が発覚する昨年6月までの経営幹部の問題認識について、「不正の実態は営業の現場ですら正確に把握できていなかった」と認定。
また、不正の疑いがある契約は2月末時点で13,396件あり、9,653人が関与したことを明らかにした。報告書によると、一連の不正は2007年の郵政民営化以前から、営業担当の郵便局員の口コミなどで続いてきたという。
かんぽ生命は、契約乗り換えの際に顧客に不利益を与えた疑いのある18.3万件の「特定事案」と、過去5年間で15回以上保険の新規契約と消滅を繰り返した「多数契約」などの調査を進めており、大半は今月末までに終える見込み。並行して、不正に関与した営業担当者らに聞き取り調査を行ってきたという。
その結果、虚偽説明など保険業法に違反した郵便局員が約200人。このうち違反行為を自ら申告しなかったり調査に非協力的だったりした百数十人に対し、資格取り消しという最も重い処分を科す方針を固めた。
同社はこれまで、不正を認めた郵便局員のみ処分を行ってきたが、「対応が甘すぎる」との批判を受け、本人が認めなくても顧客の訴えや状況証拠をもとに処分できるよう方針を見直していた。
違反行為を自ら申告するなどした郵便局員は、処分を軽減して資格の一時停止などとする。このほか、社内ルールに違反した約1500人の職員に対しても処分を行うと毎日新聞は伝えている。