山中教授「今すぐ始めるべき」批判覚悟のコロナ対策、5つの提言

2020.04.02
by MAG2NEWS編集部 NK
A lecture by the 2012 Nobel laureate in Physiology or Medicine, Dr. Shinya Yamanaka, was held in the Ryukyu Shimpo Hall as part of the joint Next Generation Development Project between OIST and the Ryukyu Shimpo | ノーベル生理学・医学賞受賞 山中伸弥氏講演会「iPS細胞がひらく新しい医学―科学者を目指す君たちへ―」 | 沖縄科学技術大学院大学・琉球新報による次世代育成事業の一環で、京都大学iPS細胞研究所所長でノーベル生理学・医学賞を受けた山中伸弥氏の講演会が、沖縄県那覇市の琉球新報ホールで開かれた
 

3つ目の提言では、提言2の実行を前提とした「徹底的な検査」を要求。PCR検査を限定的にしか行なっていない現在の状態では、無症状感染者からほかの人への2次感染のリスクが高まり、過小な感染者報告は厳格な対策への協力を得られないと懸念を示している。無症状や軽症の感染者の急増による医療崩壊を恐れて限定的にしか検査を受けさせていないようだが、提言2が実行された場合は回避できるとしている。

4つ目の提言では、「国民への協力要請と適切な補償」を要求。自粛期間はワクチンや治療薬が供給されるまでの長期戦になることから、休業等への補償、給与や雇用の保証を必須とした。

5つ目の提言では、「ワクチンと治療薬の開発に集中投資を」。アメリカなどの他国で開発されたとしても、日本への供給は遅れたり、高額になる可能性があると懸念の色を示した。また、現在効果を期待されているアビガン等の既存薬も副作用の心配があるとして、新型コロナウイルスの特性に応じた新薬を作るべきだとした。

切実な思いを吐露した山中教授

山中教授はNHKのインタビューで「仕事や生活がかかっているため対策を考える必要がある」としたうえで「(新型コロナウイルスとの)闘いが1週間我慢したら終わるのか、1カ月で終わるのか1年かかるのかで対策は全然変わってくる」と言及。そして「批判されることは覚悟で…」と続け、「1年、最低でも1年は一緒に頑張りましょうと」と協力を強く求めた。

また、「半年で終わってくれたら本当にうれしい。1カ月で終わってくれたら本当にうれしい。ぜひ予想が外れてほしい」と心情を明かしたうえで、「甘くみていたら取り返しがつかなくなる」「長期戦になると思っておいた方がいい」との考えを述べていた。

source: 山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信NHK

image by:ウィキペディアコモンズ経由

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