言いたくはないが敢えて苦言。安倍内閣は予備費を何に使ったのか

 

自民党の支持基盤に予算をばら撒く

問題はこれからなのです。安倍内閣の歳出増加項目で次に目立つのは、道路整備事業、港湾空港鉄道整備事業、農林水産基盤整備事業費などです。

道路整備事業費(決算)の推移
平成23年度      1兆5195億円
平成24年度      1兆5028億円
平成25年度(安倍内閣)1兆8438億円
平成26年度   ↓   1兆7197億円
平成27年度      1兆5910億円
平成28年度      1兆6491億円
平成29年度      1兆8225億円
平成30年度      1兆7015億円

 

財務省統計表第18表より

港湾空港鉄道整備事業
平成23年度        5440億円
平成24年度        5548億円
平成25年度(安倍内閣)  6568億円
平成26年度   ↓     6824億円
平成27年度        6494億円
平成28年度        7209億円
平成29年度        7380億円
平成30年度        7610億円

 

財務省統計表第18表より

農林水産基盤整備事業費の推移
平成22年度        7428億円(東日本大震災の対策費含む)
平成23年度        5733億円(東日本大震災の対策費含む)
平成24年度        4793億円
平成25年度(安倍内閣)  8441億円
平成26年度   ↓     8250億円
平成27年度        7055億円
平成28年度        7455億円
平成29年度        7804億円
平成30年度        7787億円

 

財務省統計表第18表より

安倍内閣になってから道路整備事業、港湾空港鉄道整備事業、農林水産基盤整備事業費が、合わせて7~8千億円増加しています。安倍内閣直前の平成22年度と平成23年度の予算は東日本大震災の対策費用もあり、例年よりも多くなっています。だから安倍内閣以前の標準値としては平成24年度の金額だといえます。この推移を見ると、安倍内閣は東日本大震災の直後よりも、さらに多くに支出をしているのがわかります。かなり露骨な歳出増額といえるでしょう。

そして見逃してはならない点は、道路、港湾空港、農業というのは、昔から自民党の重要な支持基盤業界です。安倍内閣発足の年である平成25年には、農林水産、道路、港湾空港鉄道などの整備事業に対して8000億円もの増額をしているのです。このとき予備費は1兆円以上削られています。見方によっては、安倍内閣は予備費を削って、農林水産、道路、港湾空港鉄道の整備事業費に回したということもいえるのです。

農業の優遇というと、先ほど述べましたように、自民党は新型コロナの経済対策として「お肉券」などを発案しました。安倍内閣の予算を見ても、農業に関して「異常な優遇」があると言わざるを得ません。

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