NY在住の日本人3人が見た、ロックダウンの街で起きていること

 

ジム利用や観劇、当たり前だった習慣に変化

友人のジム経営者と電話で話しました。この期間は、もちろんジムは営業停止。売上はゼロ。ただ、みんな家で閉じこもっていた分、「ロックダウン明けには、新規も含め、入りきらないほどの人間が会員登録するんじゃない?」そう励ますと、「そう願いたいけど…、長引くと、人間さすがに我慢できずにジョギングだの、ウオーキングだのを始めちゃうと思うんだよね。(適度な運動の為の外出は禁止されていない)。なんなら近所の公園で簡単な筋トレやエクササイズをするよようになると思う。そこで気付いちゃうかもしれない…、プロのアスリートでもない限り、健康的に運動するのに、わざわざ月に100ドル払ってジムにまで行く必要がないことに…」と彼はつぶやきました。ジムの経営者が、絶対言っちゃいけないセリフだとは思いますが、ある意味、真理をついている。彼の心配もわからなくはない。

ロックダウンが長引けば長引くほど、揺り戻しの反動も逆に小さくなるのではないかと心配しています。もちろん、僕たちの広告業もそうです。出稿しなければしないで、どこまでの支障があるのだろう、と考える顧客も当然出てきます。

3度の飯よりミュージカル好きのうちの奥さまも、この2ヶ月間ブロードウェイで観劇していません。毎月2回は劇場まで足を運んでいた彼女は、当初、「早く、ブロードウェイ再開しないかなぁ」と口癖のように言っていました。ところが最近は、YouTubeにハマるなど、軟禁状態なりに楽しむ方法を見つける生活に変わってきています。

ブロードウェイが再開したら、さすがに、劇場に飛んでは行くにしても、「今までのように、新作が切られたら、なにがなんでも見に行く!って感じにならないかも」と言っていました。なければ、ないなりに、楽しい日々を送ることができる、と気付いたようです。これもロックダウンが長引いた結果による、産物かもしれません。

犠牲者が出ている今回のことで、不謹慎だと怒られることを、覚悟で言うならば、人間としては、ある意味、いろいろなモノを見つめ直すいい時間を与えられたのかもしれません。

ただ、経済は予想以上に落ち込んでいく気もします。株価がどう、とか、雇用率がどう、ということ以外に、今後、世界が「在宅で楽しめるエンターテイメント」中心の生活になっていき、外出先で享受するサービス、エンターテイメントがこのまま一気に激減する世の中になってしまうのではないかと、少し不安です。

それならそれでいじゃないか、と言われるかもしれません。なにが悪いんだ、と。いや、よくない!と言い切る根拠も、理由も確かにいまのところ、見当たりません。経済が心配なのと、ただ感情論として、少し寂しいなとは思います。

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