NY在住の日本人3人が見た、ロックダウンの街で起きていること

 

「新型コロナウイルスに対するニューヨークと日本の温度差。アメリカにいて感じた事」

文・田部井愛理

こんにちは。『NEW YORK ビズ!』編集部の田部井です。ニューヨーク市に住み始めて半年以上が経った頃、現地時間の3月22日の午後8時からニューヨーク州では新型コロナウイルスの拡大防止のため、外出禁止令(ロックダウン)が発表されました。

アメリカ在住歴5年にして、世の中が一気にガラッと変わる出来事が起き、その瞬間に居合わせるのは初めての体験です。アメリカ同時多発テロ事件の際は日本から、東日本大震災はニュージーランドからテレビで見て知りました。今回、街の様子が変わっていく瞬間に身を置いて感じたことを書いていこうと思います。

まず、今年の1月末に新型コロナウイルスが流行り始め、ニュースやSNSでは部屋で祝日を過ごす中国の人々や、武漢の様子などが頻繁に流れていました。最初は、大陸向こうの話であるし、海をまたいできたとしてもそこまで流行らないだろう、と心の中では思っていました。しかし、次第にWHOによる緊急事態宣言に始まり、イタリアが非常事態宣言を発表するなど、ものすごいスピードで世界的に広まっていきました。

他国ではすでに猛威を振るっていた新型コロナウイルスがニューヨークにやってきたのは、3月1日。当初は、1日に数人の感染者がニュースになっていたのが、今では感染者と死者がどれくらい出ているか、感染が確認された数が中国より上回ったなどの報道が渦巻いています。日本にいる方々は、ニューヨークで急激に感染が増えて、人も多いし大丈夫?とご心配してくださる方や不安に思われるかと思います。

確かに、私自身、日に日に新型コロナウイルスを身近に感じ、日常がこのウイルスによって急激に変化することに戸惑いを強く感じていました。ですがそれと同時に、市や政府、周りの人々の対応の早さにも驚きました。新型コロナウイルスの検査の無償化や、原則全ての企業に対する全従業員の在宅勤務化、休校措置、飲食店や小売店の店舗休業や連邦政府による現金給付。

これ以上感染者を増やさないため、被害を最小限に抑えるために、政府、医療機関、企業、民間人、全ての人が力を合わせて協力しています。スーパーでは混まないように入場制限を設けたり、レジに並ぶ際は約1.8メートルの社会的距離の確保(sociel deistance)を保ったり、消毒が街単位で常にされていたり、マスクと手袋着用、不要な外出を避けるように「Stay Home」を掲げてSNSで呼びかける人々やセレブの投稿など。新型コロナウイルスで世の中が混乱している中、ニューヨークでは一人一人が意識して行動している光景に何度も出くわしました。

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