新型コロナ「アビガン」症状改善例を多数報告。一方注意点も

2020.04.20
by tututu
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新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本感染症学会の緊急シンポジウムが開かれ、患者の治療について、インフルエンザ薬やぜんそく薬の投与で改善したケースもあったことなどが報告された。中でも、インフルエンザ治療薬の「アビガン」を患者に投与した結果に注目が集まった。

アビガンの有効性

この緊急シンポジウムは、コロナウイルスの専門家が集い開かれたもので、観覧者を入れずに講演をインターネットで配信する形で行われた。新型コロナウイルス対策にあたる政府の専門家会議のメンバーや、治療にあたる医師などが状況を報告。実際の治療に使われている、いわゆる「既存薬」の効果などについて議論が行われた。

このなかで、藤田医科大学の土井洋平教授は、抗インフルエンザ薬「アビガン」を治療に使った200の医療機関からの報告について発表した。それによりますと、アビガンを投与された300人のうち、軽症と中等症の患者ではおよそ9割、人工呼吸器が必要な重症患者では6割で2週間後に症状の改善が見られたという。

土井教授は、今回の結果はあくまで主治医の主観によるものであるとしたうえで、「アビガンが効いたかどうかはまだわかっていない。効果があるかどうか検証を続け、科学的な根拠を示せるようにしたい」と話している。

また、吸い込むタイプのぜんそくの治療薬「オルベスコ」についても報告され、肺炎になったあとで投与された75人のうち、症状が悪化して人工呼吸器が必要になった患者が少なくとも3人、亡くなった患者は2人だったということで、この薬を使わない場合に比べて悪化する割合を下げられる可能性があるとしている。

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