ビジネスシーンは言うに及ばず、すべての対人関係スキルの中でも重要視される、「空気を読む」という能力。とは言え、空気を読んだ上で適切なリアクションを取ることは、そうそう簡単にできるものでもありません。接客のプロはどう対応しているのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、空気を読むために見極めるべき3つのポイントを紹介しています。
空気を読んで変える
売れる販売員、接客のうまい販売員と呼ばれる人たちは、本当に人の雰囲気を見るのが上手だなと感じます。販売員だけではなく、例えば居心地の良い居酒屋や喫茶店のスタッフさんたちでもそう感じることは多いですよね。
例えば、普段は明るいお客様がいて、来店されたらよくスタッフと話しながらお酒を飲みます。しかし、そんなお客様でも、時にはちょっと考え事をしたいとか、ちょっとトラブルがあって落ち込んでいるなんて日もありますよね。
そういう時に、いつも通りただ明るく接するだけではなく、考え事をしていそうなら少し離れて静かにしておくとか、落ち込んでいそうなら、和ませるような会話をするとか、できる店のスタッフほど、そういう風にしてくれるのです(そういう経験ないですか?)。
これは、お客様が放つ空気を読んで、その空気を良い方向に変えるということではないかと思います。
空気を読むというのは難しいです。
ぱっと見で表情に出ている人もいれば、まだわかりそうなものですが、必ずしもみんながみんな、そういうわけでもありません。表には出ていないけれど、なんとなくピリピリしているなんてこともあるのです。
でも、販売員として接客を生業にしているのであれば、空気は読めた方が絶対に良いでしょう。顧客であれば、「やっぱり私のことをわかってくれるな」と感じてもらえるかもしれませんし、初めてのお客様でも、「なんとなく居心地が良いな」と思ってくれるかもしれませんからね。
と言っても、空気を読むためには、どんなことが必要なのでしょうか。
私が思う、いわゆる「空気感」という曖昧な言葉の中には、いくつかの要素があります。
- 表情
- 反応
- 言葉
かなりざっくりですが、このポイントを見極めれば大体の空気は読めそうです。
表情は表にそのまま出ているもの。なんとなく、怒っていそうな顔や、なんとなく機嫌が良くない顔というのはありますよね。まずはそこを見ます。でも、表情は、人によって全然違うものですから、これだけでは空気を読めるかは何とも言えません。
次に反応を見ます。接した時のリアクションとでも言いますか、好反応かどうかということですね。常連のお客様でも、あまりポジティブな状態でなければ、声をかけても、苦笑いになったり、いつも通りの表情を見せてくれないこともあります。特に一番最初に接した時の反応は、そのお客様の気分を見極めるポイントなので、注意して見ておきたいところです。
で、言葉を見ます。お客様の発する言葉のことです。往々にしてマイナスな空気を纏っている人というのは、言葉にもその気が表れます。ここで特に注意したいのは、言葉そのものもそうなのですが、「語気」と「語尾」です。
「語気」というのは、言葉の勢いや調子という意味ですが、ポジティブな状態の人は語気の調子も良いものですが、ネガティブな状態の人は、例えば、語気が異様に強くなったり、(「大丈夫です!」みたいな)逆に異様に暗くなったりもします。
また、「語尾」もそうです。ポジティブな状態であれば、語尾が自然と上にあがるような感覚が多いですが、逆の状態だと、語尾が下がることが結構多いわけです。同じ「そうなんですね」でも、「そうなんですね↑」の場合と、「そうなんですね↓」の場合があるような感覚ですね(伝わりますかね?)。
あくまでも私個人のやり方ですが、こうしたところで空気を読んで、その空気を変える発言や対応をしていくことが大事だなと考えています。
空気を変えることに関しては、長くなっちゃうのでまたそのうち、聞きたいというお声があれば書いてみたいと思います。
今日の質問です。
- お客様の発する空気を読むためには、どんなポイントを見ますか?
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