褒められて気分を悪くする人はそう多くありませんが、あまりにおざなりだったり取って付けたような褒め方をされた場合、かえって冷めてしまうもの。では、販売のプロフェショナルはお客様をどのように褒めているのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、自らも実践している「繋げて褒める」という手法を紹介しています。
繋げて褒める
褒めることに関しては、これまでの配信でも何度かお伝えしてきたと思います。今回もその一部です。
褒めるのが得意な人、苦手な人はいますが、苦手な人の多くは、褒める内容もそうですが、褒め方自体があまり上手ではないことが少なくありません。「そこ褒めます?」みたいなこととは別に、「そういう褒め方で喜びます?」みたいな褒め方が下手なことが多いわけです。
そうなってしまう原因のひとつに、単体で褒めてしまうという理由があります。単体で褒めるというのは、「綺麗ですね」「かっこいいですね」という何かひとつを褒めるだけで終わること。これが決して悪いわけではないのですが、効果的に使えるような場面以外は、ほとんどの場合、信用に足らない安易な褒め言葉としてしか受け取られません。それでは、お客様を褒めて信頼を勝ち取り販売につなげていくためには足りないわけです。
じゃあ具体的にどういう褒め方をすればいいのかで言えば、「繋げて褒める」というやり方があります。繋げるというのは、「Aという理由があるからBが良い」という風に、何かが(理由)があるから、すごい(褒めポイント)につながっているということです。
具体的な例で見てみましょう。例えば、お客様のことをセンスが良いと褒めてみたいとします。褒めるのが下手な単体褒めの人は、「お客様、センスが良いですね」という褒め方をしてしまいます。自分がそう感じていたとしても、これだけ言われて「そうですか」と喜ぶ人はそこまで多くないでしょう。喜んだとしても、それが信頼にまでつながるかどうかは疑問です。
これを繋げて褒めるとしたら、例えば、「合わせるのが難しいアイテムを上手に合わせてらっしゃるんですね。センスがいいですね」という褒め方になります。
「合わせるのが難しいアイテムを上手にコーディネートしている」
→理由
「だからセンスが良い」
→褒めポイント
という風に、何かの理由があってはじめて褒めているということが分かりますね。こうやって理由を繋げて褒めることで、ちゃんと意味があって褒めていることが相手にも伝わり、褒められているのだと実感することができるわけです。
さらに加えるとすると、これを、外観(外見)から、内面に繋げられると、より効果的な褒め言葉になったりします。会話の例としてあげると、例えば、
「素敵な髪型ですね。普段もこういうスタイリングをされているんですか?」
「そうですね」
「でしたら、すごくきちんとされた方なんですね。私も見習いたいです」
みたいな感じでしょうか。
「素敵な髪型を普段から気をつけてやっている」
→外観的な理由
「だから内面的にもきちんとしている」
→内面の褒めポイント
という具合です。内面を褒める場合は、相手がどう感じるかが人によって変わってくるので安易にやるものでもありませんが、上手に褒めることができれば、それだけ理由がしっかりした褒め言葉になるので、相手にも伝わりやすくなります。
こうした「繋げて褒める」というやり方も時には使ってみるのはいかがでしょうか?
今日の質問です。
- このメールを読んだ後に、あなたが最初に会った人の事を褒めるとしたら、どんな風に褒めますか?
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