「どんな時も笑顔を絶やさない接客」この目標設定の何が惜しいか?

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接客業において笑顔が重要なのは動かせない事実ですが、では「笑顔を絶やさない接客」と「笑顔を褒められる接客」との違い、即答できるでしょうか。今回の無料メルマガ『飲食店経営塾』では飲食店コンサルタントの中西敏弘さんが、わかりやすい例として[笑顔」を挙げつつ、「自分達視点」ではなく「お客様視点」で接客する重要性を解説しています。

「自分達的にはできた」ではなく、「お客様がどう感じているか」を考えているか?

YouTube「飲食店経営塾チャンネル」にて、8/12に公開した「接客マニュアルではなく、サービスストーリーを作ろう!」にて、接客マニュアルのように手順を重視したマニュアルを作るのではなく、ゴールを設定し、ゴールを達成するために皆が何ができるかを考える「サービスストーリー」を作ろうということをお話させていただきました。

※ まだ、ご覧になっていない方は、こちら
飲食店経営塾【第7回】「考える接客」を実現するための、仕組み化の方法(サービスストーリーを作ろう!)

このサービスストーリーのメリットは、マニュアルで皆同じような接客をするのではなく、ひとつの“ワク”の中で個性を出せるようにすること。これにより、ただ単に手順(作業)をこなすのではなく、自分で考えて行動することを求めます。これにより、スタッフの個性を引き出したり、事務的だと言われることを避けることができます。

そして、もう一つのメリットは、ゴールを例えば、「なんていい店なんだ」とか「この店選んでよかった」などのように、お客様の言葉にする(している)ことで、常に、「自分達視点」ではなく「お客様視点」に立ち返って接客を見直すことができること、です。

どうしても店都合になりがちな視点を、「お客様は本当にそう思うだろうか?」と常に主観的ではなく、客観的な視点に立つことをスタッフ、また、社内にも客観的な視点で店を見ることを促していきます。

飲食店の営業で大切な事は、「自分たちの視点」でだけで判断しない、「自分たちの目線」だけで評価しないこと!

常に、お客様が「どう思うか」、「どう感じているか」、「本当に楽しんでいただいているか」という視点を持つことが大切です。

この視点・目線に立つために、理念やクレドを浸透させることも行うのですが、店の目標も「お客様視点」で立てたいものです。

目標自体は、例えば、「どんな時も笑顔を絶やさない接客」と、店の立場で立てても構いませんが、ただ、評価の指標を「お客様視点」にするのです。

例えば、今の例でいえば、評価を自分たち視点で行うと「今日は、90点の笑顔ができたと思います」というようになるでしょう。しかし、評価を「何人のお客様から、『笑顔が素敵だね!』という声をいただけるか?」にすると、現場の視点が変わってくるはず。

「今日は、90点の笑顔ができたと思います」であれば、自分達の評価なので、これこそ自分たち都合。また、アルバイトさんにフィードバックするにしても、「基準が店長(社員)」になっているので、これまた店都合、自分達視点の評価になってしまいます。

しかし、評価を「『笑顔が素敵だね!』という声を今日は5人からいただく」ということになれば、評価する人は「お客様」になり、「お客様目線」で目標達成のための行動を行うことができます。

実際にお客様に『笑顔が素敵だね!』と言われるには、相当な笑顔でないと言って頂けないでしょうし、それぐらいの声をいただけるようにならないと、「笑顔を強化した」ということにはならないでしょう。

売上が上がるということは、それだけ、お客様の満足度が高いということ。これを実現するためには、常に、「本当にお客様は喜んでくれるだろうか?」「これはお客様のためになっているのか?」「この仕事や議論は、自分たち都合の仕事になっていないか」と自問自答することが重要でしょう。

コロナ禍でお客様に来店していただけること自体がありがたい今。さらに、このようなお客様を増やすためには、常に、「お客様目線」で様々な取り組みに取り組みたいものです。

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【著者】 中西敏弘 【発行周期】 毎週2回

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