なぜ無店舗の「ゴーストレストラン」はボロ儲けできるのか?コロナ追い風

 

ゴーストレストランは今度広がっていくのか?

こちらの会社では、昨年は月500万円を、売り上げるまでになったとのこと。そして、今年に入ると、新型コロナウイルスの感染拡大防止もあり、家で食べる人が増えたため、さらに注文も増えているとのことです。

新型コロナウイルスの収束もまだまだ不透明なこともあり、需要は急増していて、フランチャイズ化の相談もきているとのことが報道されています。まずは大阪にこのような拠点を増やし、3年で30~40拠点に増やしたいと考えているそうです。

この「店がなくても飲食店ができる」という動きが広がっているようで、「ゴーストキッチン」をはじめませんか?というサービスも出てきています。受注と配送の仕組みをIT上に持ち、キッチンを複数所有する会社が、飲食店の事業許可を所有する人たちに、「キッチンのスペースを貸します」ので、あなたもゴーストレストランを始めませんか?というものです。

一方で、「カプリチョーザ」などを運営するWDIジャパンが、自社の商品開発用のキッチンを使用して、この業態に参入してくるなど、競争も激しくなってきています。

ゴーストレストランはなぜ伸びているのか?

クラウドキッチン、ゴーストレストランは、なぜ、日本でもこのように伸びる兆しを見せているのでしょうか。まず言えるのは、「市場のニーズ」に敏感に対応していること。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出、外食を避ける傾向にあります。

しかし、食べる、という需要、また、自分で作るのではない食事、たとえば、時間がないとか、特別な時とか、が、同じように減っているわけではありません。消費者は、これらができずに困っているのです。外食がしたい、いつもと違う食事が食べたい、でも、買いに行ったり、作ったりはしたくない、というニーズです。ここに、何ができるか、と考えていると、このようなアイディアにたどり着きます。

また、食を供給する飲食店側にもニーズがあります。今、自粛傾向にあるため、自店舗に集客ができない、でも、自分でITを駆使して集客は難しい、という個人店のオーナーなど、困っている飲食店さんにとって、クラウドキッチンは、スペースも、集客の仕組みも、デリバリーも提供してくれるわけですから、売り上げを上げるチャンスです。

次店舗の前で、テイクアウトでランチボックスなどを、販売している飲食店さんも、同じものを、ゴーストキッチンの形態をアレンジして実施してみる、ということもできることになります。今は、ウーバーイーツだけでなく、出前館やLINEデリマなど、フードデリバリーサービスも増えてきました。また、それらを買う方のユーザー側も、デリバリーが普通の食事の仕方になってきています。

商品を売り伸ばすやり方は、いろいろとありますが、いい商品があれば、「売る場所」を追加することで、今までとは違うお客様に届けることができます。飲食店にとってみれば、このゴーストレストランのような形態は、売る場所=販路を1つ追加するようなもの。これをチャンスとみて、「やってみたい」と考える人も出てくるでしょう。

この事例から学べることは、やはりマーケティングは「ニーズ」を見つけること。そのためには、顧客視点になり、市場の変化に敏感であること、そして、気づきがあった時に、すぐに行動することの重要性が必須だ、ということを再確認できました。

image by: Shutterstock.com

理央 周この著者の記事一覧

ビジネス・仕事に大事なのは、情報のキモに「気づき」どう仕事に「活かす」かです。トレンドやヒット商品には共通する「仕掛け」と「思考の枠組み」があります。このメルマガでは、AI、5G、シェアリングなどのニュースや事例をもとに、私の経験とMBAのフレームワークを使い「情報の何に気づくべきか?」という勘どころを解説していきます。現状を打破したい企画マン・営業マン、経営者の方が、カタくなっている頭をほぐし情報を気づきに変えるトレーニングに使える内容です。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】 』

【著者】 理央 周 【月額】 ¥825/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第2火曜日・第4火曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • なぜ無店舗の「ゴーストレストラン」はボロ儲けできるのか?コロナ追い風
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け