トランプを焚きつけ「TikTok」を攻撃させた“黒幕”の正体と真の狙い

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中国産モバイル向けショートビデオプラットフォーム「TikTok(ティックトック)」の米事業は、有力視されていた米マイクロソフトによる買収ではなく、米オラクルによる技術提携で合意したと各メディアが報じています。最終的には、米中双方の政府による承認が必要ですが、今回の決定の背景には何があるのでしょうか。メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』著者でジャーナリストの内田誠さんが、毎日新聞に掲載されたオラクル関連の記事を遡り、ある疑念に言及。この買収劇から、米中対立の複雑な構造を垣間見ています。

米オラクル「TikTok」米事業買収、毎日新聞の報道から透けて見えたモノ

各紙掲載しているニュースですが、TikTokの米事業の買収問題に関して、マイクロソフトに代わってオラクルという企業名が表に出てきました。企業向けのソフト、特にデータベースで有名な会社ですが、ちょっと唐突感のある登場に見えます。

「検索」による探索では、少し以前に遡って見てみることにしましょう。《毎日》4面の記事。まずは見出し。続いて【セブンNEWS】第4項目の再掲から。

(4面)
オラクルと提携合意
TikTok MSとは決裂

 

中国企業バイトダンスの人気アプリ「TikTok」の米国事業買収先を巡り、有力と見られていた米マイクロソフトではなく、米オラクルの提案が選ばれたことが明らかに。案件の成立には中国当局の承認も必要で、具体的な合意内容が今後の焦点に。

 

バイトダンスがオラクルと「提携」することで合意したことを、ムニューシン米財務長官が公表したというニュース。提携案の内容については、これから米財務省が精査するという。トランプ氏は「完全な事業売却」と言っていたが、実際の中身は「提携」となる見込み。「提携」を通じて「オラクルが米国外への情報流出を監視する」のだという。トランプ氏は米国事業を9月15日までに売却しなければ事業を禁止するとして、米企業に対しては既に9月20日以降、TikTokとの取引を禁止する大統領令を出している。

●uttiiの眼

中国政府は対抗してTikTokに使われている人工知能(AI)技術の輸出規制を強化したので、TikTok事業の売却は中国政府の許可が必要になり、交渉が複雑化していたという。中国と中国企業に厳しい姿勢を見せることが11月の大統領選を有利に戦ううえで必要なこととトランプ氏は考えているのだろうが、争奪戦の的となっているのは、米国でのTikTokの事業というよりは、AIの技術なのかもしれない。

TikTokの米事業買収を巡って名前が出てきたオラクルに関して、どんな情報がこれまで伝えられてきていたのか、みてみよう。

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