中国包囲網は日本の国益。なぜ親中ドイツは習近平を見捨てたのか?

 

加速する各国の中国離れ

しかし、同じアジアでもインドだけは違います。経済の中国依存が高まっていることは大きなジレンマとしてモディ政権を襲っていますが、中国がコロナの混乱に乗じて歴史的な境界線論争を武力で終わらせようという試みには断固として反対しています。中印双方にそれなりの犠牲が出ていますが、今、インドにちょっかいをかけることは、中国にとっては一種の賭けとなっています。

インドはこれまで災害時でも自力で再建するのだ!という姿勢を保ってきましたが(ゆえに地震や大洪水に見舞われた際にも、支援を断ってきました)、中国の迫りくる脅威に対する抑止力という観点から、日米豪とともに4か国の枠組みを作り、インド太平洋戦略を通じ、安全保障上の協力を深めています。今、そこにインドと歴史的な繋がりが深い英国や、経済的なパートナーシップが存在するドイツなどが加わり、中国の勢力拡大に対する防波堤の役割を強めようとしています。

それはもちろん、地域における緊張の高まりにもつながりますが、コロナへの対策の失敗や行き過ぎた中国の経済的な侵襲に対する国内からの反感を抑えるためにも、パートナーと共に中国に毅然と対峙しているという姿勢は、インドの政治的安定も助けていると言えます。

そこにアメリカと台湾の急速な接近が加わり、アジア太平洋地域およびインド太平洋地域は一気に中国包囲網が強化される様子が窺えます。中国と台湾の直接的な軍事対決は起こらないだろうと見ていますが、もし起きた場合は、この包囲網に参加している様々な国々が一気に中国と対峙するか、もしくは、不干渉を貫いて様子見をするのかになりますが、間違いなく大きな緊張が生まれるでしょう。

一つハッキリ言えることは、ここにきて、各国の中国離れが加速していることでしょう。それに対して中国の習近平体制と共産党体制がどのような策を講じてくるか。非常に注目です。

菅政権に変わった日本は、米中双方とどのような距離感で外交を行うのでしょうか?双方に顔が利く非常に特異なアドバンテージを活かしてもらいたいと願います。

国際情勢の裏側、即使えるプロの交渉術、Q&Aなど記事で紹介した以外の内容もたっぷりの島田久仁彦さんメルマガの無料お試し読みはコチラ

 

image by: Drop of Light / Shutterstock.com

島田久仁彦(国際交渉人)この著者の記事一覧

世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』 』

【著者】 島田久仁彦(国際交渉人) 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 金曜日(年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 中国包囲網は日本の国益。なぜ親中ドイツは習近平を見捨てたのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け