さて、話を日本学術会議に対する悪質なデマに戻しますが、他にも「レジ袋の有料化を提言したのは日本学術会議だ」などというデマも垂れ流されています。実際に原典に当たってみると、日本学術会議の提言は「地球環境を守るためにプラスチックゴミはできるだけ減らす必要がある」というものでした。この提言を受けて「それならレジ袋を有料化したらどうか」と言い出したのは政府与党です。
ちなみに、日本のプラスチックゴミにおけるレジ袋の割合はわずか1.7%なので、日本中からレジ袋がすべて消えたとしても、プラスチックゴミの総量はほとんど変わりません。ま、それはそれとして、今回のことであたしが何よりも注目したのは、これらの日本学術会議に対するデマや印象操作が行なわれたのが「ほぼ同時」だという点です。
フジテレビの平井文夫がデマを流したのが10月5日、橋下徹と甘利明がデマを流したのが翌6日、下村博文が印象操作を狙った発言をしたのが翌7日、こうした事実を時系列で見てみると、まるでどこからか号令が掛かったかのような一斉掃射だと思いませんか?それも、すべてが事実無根のデマと姑息な印象操作による攻撃なのです。
これらの事実を総合的、俯瞰的に判断した結果、あたしの脳内シアターには、どこかのおじさんがパンケーキを食べながら「嘘でも何でもいいから、とにかく日本学術会議の評判を悪くしろ!」と手下どもに命令している映像が映し出されました。目には目を、印象操作には印象操作を、ということで、今回は、あたしも最後に印象操作をしてみました(笑)。
(『きっこのメルマガ』2020年10月21日号より一部抜粋・文中敬称略)
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