なぜ、男性の生涯未婚率が1990年代以降急激に増加しているのか?という現実を国はとことん考えたことがあるのでしょうか。
直近の2015年国勢調査では、男性の生涯未婚率は24.2%で、女性の14.9%を大きく上回ります。一方で、18~34歳の独身男女の結婚意志を尋ねた国の大規模調査では、男性の86%、女性の89%が「いずれ結婚するつもり」と回答しているのです。
つまり、「長年の課題である少子化対策に真正面から取り組む」というなら、生涯未婚率が急増している要因を調査し、「結婚したいのにできない」理由を明らかにする必要があるはずです。
生涯未婚率を雇用形態別に分析した調査では、非正規社員の30代の7割が未婚でした。この問題は10年以上前から指摘され続けているのに、非正規問題は一向に解決されていません。同一労働同一賃金が「働き方改革法」に明記せれてもなお、おきざりにされているのです。
さらに子供の貧困問題も、「シングルマザー問題」とセットで語られがちですが、2人親世帯の「子供の貧困」の方が、ひとり親世帯より数の上では多いし、20~24歳のワーキングプアは17.3%と、5人に1人が働けど働けど苦しい生活に耐えています。
少子化問題は雇用政策や最低賃金問題と絡めて議論しなければならない課題です。耳さわりのいい対策だけではなく、根っこの根っこまで掘り下げることでしか本当の意味での「安心の社会保障」の道筋はみえてきません。
みなさんの意見もお聞かせください。
image by: 首相官邸
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