いじめ過去最多更新は「積極把握のせい」なぜ文科省は雑な嘘をつくのか

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2019年度のいじめ認知件数が公表され、その数字は過去最多となっています。見過ごされていたいじめを認知できるようになったとも考えられますが、そこに異を唱えるのは、無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では同ネット代表の井澤一明さん。井澤さんは「まだまだ数字が作られている」として、いじめ解決、いじめ対策のために学校が何をすべきかを論じています。  

いじめ認知件数

文部科学省は10月22日に2019年度のいじめ認知件数を公表しました。「2019年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果、いじめ認知件数が61万2,496件、過去最多を更新しました。

数値の概略は以下の通りです。「重大事態」は前年度より121件増の723件。インターネットやSNSによるものは1,590件増の1万7,924件。暴力行為は8%増の7万8,787件。中学高校では減少したが、小学校で19.4%増で4万3,614件。不登校は10.2%増の18万1,272人。

文科省は、記者会見において、いじめ認知件数や暴力件数が増加している理由について「学校は初期段階の対応を強化し、見過ごされていたいじめを積極的に把握するようになった」との説明をしています。

いじめを認知した学校数は、3万583校で、534校増となり、全体の3万7,011校の82.6%に上っています。反面、資料によると16.3%、6,038校の学校ではいじめは認知されていない、つまりいじめゼロ、いじめが無かったとされています。

事実がそうであれば素晴らしい限りですが、そんなはずはないでしょう。まだまだ、数字が作られていると感じられます。残念です。

数としては公立より少ないのですが、私立のいじめを認知した校数が2,588校中の1,317校、50.9%にすぎないことも気になります。私立の場合には、いじめに対応してもらえないという相談が多いということと連動しているようにも感じます。

都道府県では宮崎県は、1万5,171件を報告しており、1,000人中122.4件となっております。政令指定都市では、新潟市が1万5,431件、1,000人中259.3件の数を公表しました。宮崎県の割合を全国に当てはめると、168万件にもなりますし、新潟市をベースに全国に当てはめると、356万件という数が出てまいります。

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