大切な愛犬や愛猫が事故や急な体調不良で動かなくなった。そんなとき、飼い主はどうしたらいいのでしょうか?メルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』著者で獣医師の佐藤貴紀先生が、飼い主ができる応急処置法として、心臓マッサージの仕方を教えてくれました。一刻を争う事態になったときにも慌てず焦らなくて済むように、しっかり確認して、覚えておきたい方法です。
家庭でできる応急処置~心臓マッサージ~
ワンちゃんも猫ちゃんも急に怪我をしたり、体調が悪くなる事もあります。
先日「心臓が止まった場合はどうしたらいいのですか?」と聞かれたことがあります。
そこで、今回は家庭でできる応急処置をお伝えしたいと思います。
手当てのポイント
1)「いざ起きた事象の状況把握を行い、適切な対処を行う」
交通事故や落下などをしてしまい、一刻を争う場合にはかなり難しいですが、冷静に判断を行う必要があります。今、愛犬がどのような状態なのか、具体的に出血をしているのか、動けるのか、呼吸をしているのか、心臓が動いているのかなどです。判断がつかない場合はもちろん動物病院に電話をして指示を仰ぎながら応急処置をしてください。一刻を争う状況ではありますので、最悪のことを考え迅速に動いてもらう必要があります。理想的にはこのような状況が起きないことですが、起きてしまった場合の応急処置を理解しておいて欲しいです。
2)手当てのポイントその2「応急処置(心臓マッサージ・人工呼吸)」
ぐったりして動かない場合に、まずは愛犬の呼吸と心臓を確認します
- 鼻先を触ったり、舌をひっぱり嫌がるかどうか確認
- 胸が呼吸しているか確認
まず、この時点で呼吸をしていないということがわかったら人工呼吸を開始します。
次に心臓は動いているかを確認。
- 愛犬の胸に耳を当て、心臓の鼓動を確認
- 胸の動きがあるかどうか目で確認
呼吸していないが心臓は動いていることがあります。ただ、呼吸をしないといずれは心停止を起こします。すぐに心臓マッサージと人工呼吸を組み合わせ行うことが重要です。
心臓が動いてなくて呼吸が動いていることはありません。
3)心臓マッサージの方法
- 愛犬が横たわっている状態で、肘をひっぱり脇の下部分を押します
- 胸を両手で(小型犬は片手の場合もあります)1/3-1/2くらい沈ませます
- 1分間に100回をめどに行います
人工呼吸
- 頭をやや反らせるようにし、首をのばして気道を確保します
- 人の口と犬の鼻を覆うようにしマウス to ノーズを行います。※この時、愛犬のマズルを閉じながら鼻の中に息を吹き込まないと口から漏れてしまいます
- 1分間に5−6回行う
心臓マッサージ+人工呼吸は
心臓マッサージ15回に対し、人工呼吸を1回行う
呼吸が戻るまで続けることが必要です
まとめ
心臓マッサージと人工呼吸をどのような状況で、どのように行うかを把握しておくことが必要です。応急手当を家でイメージしながら、いざという時に対処できるようにしてあげてください
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