カズとの違いを挙げると……
日ハムというと「ハンカチ王子」と言われた斎藤佑樹がいる。プロ3年目以降は合計しても4勝しかできていないが、戦力外にすることなくずっと雇い続けている。さらに(ホームランはそれなりに打っているが)打率が2割にも満たない清宮幸太郎を1軍の試合で使い続けている。
「結果や成績よりも興行を重視している」と批判されることが極めて多かった球団である。近年の日ハムの興行重視の姿勢を批判していた人たちから「なぜ、新庄選手を獲得しないのか?」と強く批判をされるというカオスな状態になっている。
Jリーガーで似た立ち位置の選手というと横浜FCのFW三浦知と沼津のゴン中山の2人である。ゴン中山に関してはチームにフル帯同しているわけではないのでさらに特殊だと思うがFW三浦知に関して「客寄せパンダである。」という声は少なくない。ただ、本人が「客席せパンダであること」を自覚しており、横浜FCにいることでクラブに対して(金銭的な)プラスをもたらしていることも自覚していると思うがFW三浦知と新庄選手の大きな違いを挙げると「FW三浦知は引退することなくずっとプレーを続けてきた点」である。
ずっと現役プレーヤーとして練習やトレーニングに打ち込んできたFW三浦知と引退をしてから10数年ぶりに現役復帰を目指して本格的なトレーニングを再開させた新庄選手を同列視するのは「FW三浦知に失礼」だと思うが「きれいな形で現役を引退した新庄選手を球界に復帰させて無様な姿を世間にさらすのは良くないのでは?」という日ハムの関係者のコメントは一理ある。合同トライアウトでタイムリーヒットを放ったがあくまでも合同トライアウトである。戦力外になった投手から放ったタイムリーヒットに過ぎない。
「お金のなる木」と思うが……
仮にどこかの球団が新庄選手を獲得したら、来年のキャンプ期間は新庄選手の話題で持ち切りになるだろう。年俸は支配下登録であっても1千万円ほど。育成契約であれば数百万円程度だと思うので「キャンプの数日で元が取れるレベル」だと思われる。グッズ収入や集客効果やメディアでの露出効果などを考えると「お金のなる木」と思うが阪神や日ハムのみならず、どの球団も強い関心は示していない。Jリーグと比べると経営的に安定している球団が多いことも新庄選手にとってはマイナス材料なのかもしれない。
個人的な考えを述べるとプロ野球選手として活躍できるとは全く思えず、戦力にはならないと思うが莫大な経済効果を生み出すのは間違いない選手をみすみす見逃すのは阪神や日ハムに限らず勿体ないと思う。プロ野球は支配下登録できる選手は70人まで。
どの球団も枠はカツカツの状態なので「支配下登録でのオファー」は難しいと思うが、育成契約の選手の人数に関する上限はなかったはず。育成契約であれば枠の問題は発生しないが「育成契約でオファーを出すのは失礼だ」という考えもあるのかもしれない。
リミットまであと数日なので続報を待ちたいが、新庄選手が球界復帰を果たしたときにキャンプ期間中などに新庄選手ばかりが注目されるのは、それはそれで正常な話とは言えない。この点はFW三浦知に関しても言えるがFW三浦知がベンチ入りを果たした場合などは試合の勝敗や内容はそっちのけでFW三浦知にばかり注目が集まる。これも正常ではないと思う。
高齢になってもいろいろとチャレンジすることは素晴らしいがあくまでも脇役である。そういう選手が話題の中心やスポットライトの中心になるのは健全なことではない。
image by: Karumin, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で