米国の実験で判明。八つ当たりしてもストレスは減らないという事実

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新型コロナの感染拡大等もあり、日々生活しているだけでも蓄積してゆくストレス。そんなストレス解消と称して、「物に当たる」という手段を取る方も見受けられますが、果たしてそれは有効な手段なのでしょうか。今回の無料メルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』で現役精神科医のゆうきゆうさんが、とある実験結果を引きつつ検証しています。

ストレスを消す魔法の行動とは!?

こんにちは、ゆうきゆうです。

早速ですが、心理テストです。

あなたはイライラしたときや悲しかったとき、どちらの行動をとりますか?

A:怒りを発散するための行動をする(クッションを叩いたり、何かを投げたり、壊したりするなど)
B:何もしない

アメリカの心理学者 ブッシュマンは、次のような実験をしました。

まず、被験者の学生たちを怒らせ、ストレスを与えました。

その方法がなかなかすごいのですが、まず彼らに自由に文章を書かせ「君の文章はつまらないね」とわざと評価したそうです。結構ヒドい実験だと思うんですけども。

このようにストレスを与えた上で、学生たちを2グループに分け、Aグループは、パンチングマシーンを殴らせることによって怒りを発散させようとしました。一方Bグループには、何もさせませんでした。さてこのとき、どちらの方がストレスが減ったでしょうか?

どちらの方がストレスが減ったでしょうか?

一見、パンチングマシーンを殴らせた方がストレスが減るように思えるのですが、実はAとBに大差はなく、それどころか物に当たったAで、かえって怒りが増していた人もいた、という結果も出たのです。

このように、何かに当たったり壊したりするという行為は、心を安らげるかと思いきや、実はその逆なのです!

例えば、ゲーム中に全然うまくいかず「あーもう!」とゲームコントローラーを投げたりすることもあると思います。でもこれでスッキリする人ってなかなかいないでしょう。逆にコントローラーが壊れてさらにイライラしてしまったり、なんてこともあるくらいです。

すなわち「八つ当たりは意味がない」のです。

例えばドラえもんでも、スネ夫がジャイアンにいじめられてイライラした結果、八つ当たりでのび太をいじめる、という展開がよくあると思います。でも、スネ夫にとってみれば他の人をいじめたとしてもジャイアンにいじめられて生まれたストレスは変わりません。

これは自分たちの日常でも言えることです。例えばネット上でも、全然知らない人へつまらないリプライをして、攻撃する人がいますね。その人たちは、おそらく日常生活でストレスを感じているのでしょう。

そして、ストレス発散のためにネットで人に当たろうとしているのです。しかし、今回の法則で考えますと、誰かを攻撃したところでその人のストレスは発散されず、結局またイライラするだけです。

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