企業の業務管理はワイングラス型より「ぐい飲み型」の方が良いワケ

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ワインを注ぐワイングラスは、持ち手の部分までワインを注ぐことができません。一方、「ぐい飲み」は注いだお酒が底までダイレクトに到達します。このワイングラスやぐい飲みの形にたとえて、ビジネスの問題点などの解決方法を語るのは、無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』の著者である川岸宏和さん。どちらの形が企業の問題を管理する際に適しているのでしょうか?

ワイングラスの考え方

ワイングラスにワインを注ぐと、持ち手の部分が詰まってグラスの底にワインを注ぐことは出来ません。

ワインを、工場で起きているクレームなどの問題点、世の中で発生している「他山の石」、「社会の変化」と考えます。ワイングラスの底を、従業員、経営層と考えます。大きくとらえた問題点を、ワイングラスの底に伝えるためには、ワイングラスではなく、ぐい飲みのようにな管理状態が必要なのです。

クレームが起きたことを製造現場の従業員が知らなければ、改善することはできません。クレームが起きたことを経営層が知らなければ、クレーム再発防止のための、従業員教育、設備投資の計画ができません。「何故、あのとき伝えてくれなかったんだ」とあとから言われないように、クレームなどの問題点は、隠すことなく、透明性を持って伝える事が大切なのです。

常に世の中の問題点を把握し、グラスに注ぎ続ける部門を明確にすることが必要です。

情報はコップを空けるように

食品偽装などが起きたときの対応によってなくなっていく会社、生き残る会社の2つがあります。

工場の産地偽装などが発生した時に社長などの責任者はコップの理論で行動することが大切です。コップの理論とは、まず手に持ったコップに事故、偽装などの情報をすべて集める事が必要です。時間が無いときでも、すべての関係する情報を集める事が必要なのです。

もちろん、技術情報もあるはずです。技術畑でない責任者は説明できないことがあるかもしえません。工場、会社の責任者になったときには、日頃から技術情報を集め、いつでも自分自身で説明できるようにしておくことが大切だと思います。製品について作り方、原料に関して一番詳しく説明できるのが、会社の責任者である必要があると思います。

コップになみなみと注がれた情報を一気に記者会見で伝える必要があります。記者会見のキーワードは透明性です。「なにかこの人は隠しているな」と思われないためには、不祥事の情報をコップにためて、責任者自分自身の言葉で一気に、コップにたまっているすべての情報をカメラを通じてお客様に伝えなければならないと思います。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 河岸宏和(食品安全教育研究所 代表) 【発行周期】 ほぼ 週末刊

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