東京五輪中止にいよいよ現実味。バッハ会長強気も有力委員が弱気発言

 

【サーチ&リサーチ】

《朝日》の検索で「ディック・パウンド」を引くと、この1年の紙面掲載記事から9件、サイト内からは32件にヒット。2016年の記事を含む「サイト内」を対象に。

*まずは「反ドーピング」の直言。

2016年7月21日付
「スポーツ仲裁裁判所(CAS)がリオデジャネイロ五輪への出場を求めたロシア陸上界の訴えを却下した21日の裁定で、ロシア陸上チームのリオ五輪不出場が確定した」という情勢下、「WADAの姿勢は強硬で、IOC委員でWADA元委員長のディック・パウンド氏は「IOCはロシア全選手を締め出すことに非常に後ろ向きだ」と英BBCラジオに語った」と。

*個々に潔白を証明していてもロシアの選手は出場させるべきではないという論。強硬論に見えるが、背景には、バッハ会長率いるIOCがロシアのドーピングに対して極めて寛容だったことがある。2017年9月のIOC総会では、中間報告を行うはずだった担当者が欠席。パウンド氏は「何も調べていないのと同じ」と強く批判した。そして…。

2017年12月5日付
米NYタイムズは、ドーピング問題でロシアの平昌冬季五輪参加の可否について協議するIOC理事会を前に、「平昌五輪にロシアの居場所はない」と主張する記事を掲載。パウンド氏の、「ロシア政府が不正を認めず反省もないため、全員が共犯者」であり、「ロシア国外に拠点を置く選手の個人資格での参加も禁じるべき」という意見を紹介した。

*ここからが東京五輪の延期問題
*AP通信が、東京五輪開催に関するパウンド氏へのインタビューを報じた。

2020年2月26日付
「新型コロナウイルス感染拡大で開催を危ぶむ声が出始めている7月24日開幕の東京五輪について、国際オリンピック委員会(IOC)で1978年から委員を務める最古参のディック・パウンド氏がインタビューに応じ、開催是非の判断の期限は引き延ばせて5月下旬との見方を示した」と。事態が収束しなければ、「中止を検討するだろう」という内容。

*準備期間がないので他都市での開催や分散開催も難しいこと。数カ月延期すると米国のNFLやNBAのシーズンと重なるので、巨額の放送権料を払う米テレビ局が納得しないだろうということが理由とされている。

2020年2月27日付
「東京五輪の準備状況を監督する国際オリンピック委員会調整委員会のジョン・コーツ委員長が、五輪を予定通り開催するかを3カ月以内に判断するとの姿勢を示した」と報じられる。

*この報道を受けて日本メディアとの電話取材に応じたバッハ会長は「臆測の炎に油を注ぐことはしない」として、直接答えなかった。その後も理事会などでバッハ氏は「中止」や「延期」説の火消しに躍起となっていたのだが…。

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