首都直下型地震の発生率70%。それでも原発に頼る亡国ニッポン

 

これと同じなのが「世界の屋根」と呼ばれているヒマラヤ山脈です。ユーラシア大陸の南側に三角形に出っ張っているインドは、もともとは地球の反対側、南半球にあった大陸の一部でした。これが、約1億3,500万年前のジュラ紀に大陸から分裂して、インド・オーストラリアプレートの移動で少しずつ北へと移動して、今から約4,000万年前にユーラシア大陸にドカーンとぶつかったのです。

伊豆半島がぶつかっただけでも高さ1,600メートルクラスの丹沢山地ができるのですから、遥かに巨大なインドがぶつかった衝撃はもの凄いパワーで、地面が一気に8,000メートル以上も隆起してヒマラヤ山脈が生まれました。そのため、ヒマラヤ山脈の頂上付近に見られる「イエローバンド」と呼ばれる化石の層からは、アンモナイトや三葉虫など、当時の海の生物の化石が見つかっているのです。インドとユーラシア大陸に挟まれた海の生物たちが、標高8,000メートルまで押し上げられたのです。

日本もこれと同じで、丹沢山地からはオウムガイやサンゴなどの化石が見つかっていますし、伊豆半島がぶつかった場所の神縄(かんなわ)断層でも、貝やサンゴの化石を見ることができます。これらの化石の年代を検証することで、丹沢や伊豆半島が本州にぶつかった時期を特定することができたのです。

ここで重要なのは、伊豆半島が乗っているフィリピン海プレートも、インドが乗っているインド・オーストラリアプレートも、今も動き続けていて、伊豆半島は本州を、インドはユーラシア大陸を、それぞれ押し続けてるということなのです。これらのプレートは年に5センチ前後しか移動していないので、ヒマラヤ山脈の成長も年に5ミリ程度ですが、これは「人間の時間」の感覚の話であって、何百万年、何千万年という「地球の時間」で考えたら、ものすごい速度で隆起し続けてることになるのです。

ちなみに、ヒマラヤ山脈の世界最高峰エベレスト、チベット語でチョモランマは、1954年の光学機器による測量で「8,848メートル」と計測され、以来、この数字が公式のものとされて来ました。しかし、科学は日進月歩です。現在では人工衛星を利用したGPSによる測量が可能になったため、ネパールと中国の合同チームが昨年、最新技術による測量を行ない、昨年12月8日、これまでより86センチ高い「8,848.86メートル」と発表しました。

1954年の測量が不正確だったのか、それとも、この65年間で86センチほどエベレストが隆起したのか、それは分かりません。しかし、プレートが動き続けいること、プレートとプレートが巨大な力で干渉し合っていることは事実ですし、その干渉によって、10年前の東日本大震災や今回の地震が起こったことも事実なのです。

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