なぜ「反日」バイデンは、日本にやさしいのか?
これ一文でいうと、「戦略的に日本を必要としているから」です。
バイデンさんはオバマ時代、副大統領でした。そして、オバマ大統領は、「親中だった」といわれています。これは、完全に正しいとはいえません。オバマが親中だったのは、2014年までです。2015年3月に「AIIB事件」が起こった。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、オーストラリア、イスラエル、韓国など、いわゆる「親米諸国」が、アメリカを裏切り、中国主導の国際金融機関「AIIB」に入ってしまった。これで、リベラルでボンヤリ者のオバマさんも、「中国こそが最大の敵だ」と悟った。
それまで、オバマ最大の敵は、2014年3月にクリミアを併合したロシアだった。アメリカとロシアは、ウクライナ問題、シリア問題、イラン核問題などで対立していました。しかし、中国に狙いを定めたオバマは、ロシアと一時和解し、ウクライナ内戦問題、シリア内戦問題を沈静化させることに成功します。さらに、2015年7月には、イラン核合意を成立させた。そして、2015年、16年と、主に「南シナ海埋め立て問題」で、中国をバッシングしました。そう、オバマとバイデンは、「戦略的に動くことができる人たち」だったのです。
そして、バイデンが大統領になりました。彼は確かに、「親中」「反日」でしょう。しかし、大統領として、「米中覇権戦争」に勝たなければならない。勝つためには、「他の大国」を味方につけなければならない。「他の大国」とは、具体的に、欧州、インド、ロシアそして世界第3位の経済大国日本です。この4か国(欧州は地域だが)は、米中覇権戦争でアメリカが勝つか、中国が勝つかを左右する勢力です。だから、バイデンは、日本にやさしい。
日本には、「アメリカが諸悪の根源」と主張する人もいます。しかし、アメリカは中国と違い、「尖閣は我が国固有の領土で核心的利益」とはいいません。ウイグル人100万人を強制収容し、不妊手術を強要し、民族絶滅政策をしたりしていない。
(※ 全日本人必読資料→「ウイグル女性に避妊器具や不妊手術を強制──中国政府の『断種』ジェノサイド」(Newsweek2020年7月8日)
アメリカと中国、どっちがマシかは、小学生でも理解できるでしょう。日本は、しっかりアメリカ側について、自由を守りましょう。日本が進むべき道は明らかです。
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