前回の記事『現役の税理士が教える、「銀行がお金を貸したくなる会社」の特徴』で銀行に好かれる会社について教えてくれた、現役税理士の今村仁さん。今回は自身の無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』で「銀行がお金を貸したくない会社」の特徴を紹介しています。
銀行はこんな会社には貸したくない
銀行が貸したくない会社ベスト3を独断と偏見で発表します。
1位 2期連続赤字の会社
2位 債務超過の会社
3位 多額の貸付金がある会社
前期赤字の会社は、今期決算は要注意です。
益出し出来る資産はないのか、例えば、保険の解約、含み益のある資産の売却、倒産防止共済の解約など、ありとあらゆることを考えた方がいいでしょう。というのも、銀行などの金融機関の評価は、2期連続赤字であると大きく下がります。
そういう意味では、前期黒字で、コロナ禍でもあり今期赤字となるのであれば、なるべく今期中に赤字の膿を出しきっておいた方が良いでしょう。
もっといえば、来期使う予定の広告費や採用費、PC費用なども前倒しで今期に購入して費用計上しておくことをお勧めします。つまり、なるべく来期は黒字確保できるように、今期の赤字で経費を吸収しておくのです。
来期黒字化のための援護射撃を今期行っておくイメージです。
債務超過の会社には貸しにくい
債務超過とは、ざっくりとは、会社の資産 < 会社の負債となっているケースです。この場合の会社の資産は帳簿価額ベースではなく、時価ベースとなります(因みにですが、負債は通常簿価=時価です)。
銀行などの金融機関は、実は、売上や利益が載っている「損益計算書」よりも、この債務超過がわかる資産や負債が載っている「貸借対照表」を重要視します。理由は単純で、損益計算書は1年間ごとの儲けしかわかりませんが、貸借対照表では、過去の累積として30期の会社は約30年間の利益合計がわかるからです。
債務超過とは、ざっくりとは、今期や前期の短期での視点ではなく、過去の累積としてこの会社は赤字だったということを意味します。
多額の貸付金がある会社も要注意
会社の貸借対照表の資産の部をみたときに、多額の貸付金や仮払金のような勘定科目が計上されていると、銀行などの金融機関は警戒します。
何に警戒するかと言うと、この会社に融資を実行すると、もしかしたら他の会社や経営者個人に資金が流出するのではないかと、警戒するのです。
銀行などは迂回融資を嫌いますし、また、そもそも多額の貸付金や仮払金が、意図なく計上されている会社は、どんぶり勘定であることが多いことも、データとしてあがっているのかもしれません。
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