高額アイテムを売るのが得意な店員は、客の何を理解しているのか?

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他店であれば安く手に入る商品を「いいお値段」で購入したという経験をお持ちの方、案外多いのではないでしょうか。接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんによれば、そのようなアイテムを売るのが上手な販売員さんが存在するとのこと。坂本さんは自身の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で今回、彼らが持つ、お客様をそうした商品の購入に導く秘訣を紹介しています。

特別感と特別アイテム

ちょっと良い感じのセレクトショップなんかで靴のコーナーを見てみると、革靴なんかに使うシューツリーというアイテムを売っていることがあります。シューキーパーとも呼びますが、靴の形を保ち、木製のものなら湿度を良い状態でキープしてくれるような効果もあったり、消臭効果があるものもあります。

● 参考:シューツリー

このシューツリー、安く手に入れようと思うなら、プラスチック製のものだと1,000円弱で買えますし、木製のものでも、2,000円しないくらいの値段で買うことはできます。ですが、セレクトショップや本格的な靴屋では、1つ1万円弱くらい、ブランドやものによっては数万円するものもあります。普通に考えれば、そんなお金を出してまで購入しようと思う人はあまり多くはありません。靴の形を保ったり消臭効果が欲しいということだけなら、安いものでも何の問題もないからです。

でもこういうアイテムを売るのが上手い販売員も中には存在しています。なぜ売るのが上手いかというと、お客様の中の特別感をよく理解できているからです。

例えばもしあなたが新しく革靴を買ったとします。その革靴は、今までに購入したものよりもそれなりに高価なもので、少し勇気を出して買ったものです。こういう場合、あなた自身の中でその革靴には特別感を感じていることでしょう。

「普段買うものよりも良いものを購入した」
「これまで買ったものの中でも良い買い物をした」
「履くのにも少し勇気がいるかもしれない」

など、普段とは違う何かしらの特別感を感じているのではないでしょうか。すると、人というのは面白いもので、その靴に関するあらゆるものにこだわり出すようになります。靴のしまい方も今までのように適当ではなくなったり、履いた後にはつい磨いてしまったり、少しでも濡れてしまおうものなら、慌てて拭いたりするようになります。その特別感を販売員が理解できていると、値段の高いシューツリーなんかも売れるようになってくるわけです。

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