そもそも成功の保証がないことに挑戦する、あるいはし続けること自体、考えてみればおそろしく楽観的なことである。多くの失敗、数少ない成功を積み重ね、それでもチームとして挫けることなく進んで行く。楽観の性質がなければ凡そ無理である。敢えて誤解をおそれずに言うと、バカ(=究極の楽観主義者)であることがリーダーには必要なのである。
ある大学(確かアメリカだったと思うが)が、解のない問題に取り組める時間とその人の性格を調査したところ、悲観的な人は平均60秒で諦めてしまうのに対し、そこそこ楽観的な人は90秒、とても楽観的な人は120秒挑み続ける、という結果が出た。粘り強いこと、これは答えの分かっていないプロジェクトに挑む時には何よりも大切である。諦めないこと、これもまた成功の第一条件であると言える。
ということは、究極的にリーダーに必要な二本の柱は「創造性」と「楽観性」ということになる。うち創造性は個人的な属性であり、楽観性は集団の中での個の在り方のことである。
さて、今こそ問うてみたいのである。こんな時世だからこそ問うてみたいのである。
「我々のリーダーは、本当にリーダーたるに相応しいだろうか」
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