それでは覚えてもらえない。なぜ店員が「うちの店」と言うのはNGか

shutterstock_1857686137
 

何気なく口にしてしまう「うちの店」という言い回しですが、お客様を遠ざけてしまう結果に繋がりかねないようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、「うちの店」という表現の弊害を「機会ロス」の観点から解説。その上で、きちんと店名を伝えることを強く勧めています。

覚えてもらうということは

出場されたことのある方はご存知でしょうが、接客ロールプレイングコンテストでは、自店のことを「うちの店」と呼ぶのは敬遠されています。

普段はよく使う「うちの店」という言葉ですが、なぜあまり良くないとされるのかというと、明確な理由があります。「うち」という言葉がお客様相手に使う言葉ではないという点もありますが、それ以上に、名前を覚えてもらいにくいからです。

大昔と比べて、今はいろんな会社やブランドが存在していますよね。誰でも一目で読めるものもありますが、中には読みにくいものもあります。そのどちらとも、お客様に覚えてもらうということ自体はとても大事なことです。

昨今、小売業界では「ファン化」の流れが非常に大きくなってきています。競合が増えてきたことに加えて、購買経路もネットを通したものなど増え、自店に継続的に来店してくれるお客様を作れないと、経営が成り立たなくなりつつあるからです。昔よりもその傾向は強いと言えるでしょう。

そんな中で、「またあの店へ行こう」と思ってもらいたいとしたら、まず名前を覚えてもらうことは大事です。超有名ブランドなどで誰でも知っているというくらいの店ならば話は別かもしれませんが、そうでないとしたら、多くの場合は、またその店へ行こうかなーと思ったり、誰かにその店を紹介しようと思った時には、「良い店があるんだよね、えーと…、あの店の名前なんだったけなー」という現象が起こります。

この時に検索してくれて名前を確認してくれるお客様なら良いですが、その手間もかかりますし、中にはアルファベットが何と書いてあるかもよく分からなくて検索もできないという場合すらあります。

特に今の時代はこれが大きくて、ちょっと情報が欲しいという時に名前がわからず、いろんな検索をすることになりがちです。この手間1つが、お客様の離脱に繋がることはEC担当者ならよくわかる話でしょう。いずれにしても、名前がわからないことで機会ロスに繋がる可能性があるわけです。

現に私もすごく好きな店があっても、店の名前の読み方がわからないままになっていて、人に紹介しづらいということがあります(聞くタイミングを逸したままなのです)。

でも普段から、「うちの店では…」ではなく、「〇〇(店の名前)では…」と言えていれば、お客様の記憶には名前が刷り込まれていきます。それにより、何かふとしたら時に思い出してもらいやすくなり、次の来店にも繋がるということです。

print
いま読まれてます

  • それでは覚えてもらえない。なぜ店員が「うちの店」と言うのはNGか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け