音楽ライター・編集者が選ぶ、滝沢洋一が遺した名曲10撰
滝沢作品の名曲は、ビートたけしの「CITY BIRD」だけにとどまらない。滝沢は前述の通り1977年前後より作曲家活動を開始し、ブレッド&バター、サーカス、ハイ・ファイ・セット、小泉今日子、松本伊代、岩崎宏美、西城秀樹、石川秀美、山下久美子、富田靖子、小室みつ子、伊東ゆかり、いしだあゆみなどの名だたるアーティストたちに100曲以上を提供した。
これら数多くある提供曲の中でも「傑作」と言っても過言ではない楽曲について、滝沢作品を愛する音楽ライター、編集者諸氏に2曲づつをセレクトしていただいた。
『レオニズの彼方に』CD化を実現させた音楽ライター・金澤寿和氏のオススメする2曲
● ハイ・ファイ・セット/メモランダム(1977)
自分が滝沢さんをソングライターとして意識するようになったキッカケの1曲
作詞:なかにし礼
作曲:滝沢洋一
編曲:ボブ・アルシバー
アルバム『ダイアリー』(1977)所収
● 須藤薫/真夜中の主人公(1983)
好盤『DROPS』のスタートを飾った都市型AORチューン。キラキラしてます
作詞:田口俊
作曲:滝沢洋一
編曲:松任谷正隆
アルバム『DROPS』(1983)所収
「CITY BIRD」に光をあてた音楽ライター・編集者、松永良平氏のオススメする2曲
● 滝沢洋一/HIGH UP TO THE SKY(1978)
『レオニズの彼方に』は全曲素晴らしいです。日本のブライアン・エリオットだと思います
作詞:竜真知子
作曲:滝沢洋一
編曲:佐藤博
アルバム『レオニズの彼方に』(1978)所収
● サーカス/六月の花嫁(1979)
サーカス+滝沢洋一だと「OUR WINTER VACATION」も好きです。季節柄でこちらを
作詞:山川啓介
作曲:滝沢洋一
編曲:鈴木茂
アルバム『ニュー・ホライズン』(1979)所収
「滝沢洋一全作曲リスト」をネットに公開したT氏のオススメする2曲
● ブレッド&バター/一枚の絵(1981)
各種ベスト盤にもほぼ収録されていない、湘南3部作の3作目『Pacific』の最後を飾る晩夏の感涙曲
作詞:山上路夫
作曲:滝沢洋一
編曲:井上鑑
アルバム『Pacific』(1981)所収
● 清野由美/YOU&I(1981)
チャカ・カーンへのリスペクトが見えた滝沢&新川コンビの傑作。これぞ“オトナの音”という感じがします
作詞:日暮真三
作曲:滝沢洋一
編曲:新川博
アルバム『NATURAL WOMAN』(1981)所収
MAG2NEWS編集部「g」がオススメする2曲
● いしだあゆみ/BLIZZARD(1981)
呉田軽穂ことユーミンの作詞ですが、あの「BLIZZARD」とは別曲です。しっとり感のある素敵な楽曲
作詞:呉田軽穂(松任谷由実)
作曲:滝沢洋一
編曲:篠原信彦
アルバム『いしだあゆみ』(1981)所収
● 西城秀樹/かぎりなき夏(1984)
未発表ソロをヒデキに提供したメロウな一曲。同じくヒデキの「青になれ」(1987)とどっちにしようか迷いました
作詞:ありそのみ
作曲:滝沢洋一
編曲:新川博
アルバム『GENTLE・A MAN』(1984)所収
本稿の筆者がオススメする2曲
●サーカス/マイアミ・ドリーミング(1980)
ママス&パパスの名曲を想わせる旧き佳きアメリカへの憧憬あふれる意欲作。滝沢さんのセルフカバー版あり
作詞:山川啓介
作曲:滝沢洋一
編曲:マイク・マイニエリ
アルバム『ワンダフル・ミュージック』(1980)所収
● 伊東ゆかり/わかれ道(1984)
「メモランダム」以来の、なかにし礼&滝沢コンビによる演歌の最高傑作。大村憲司の編曲に感動しました
作詞:なかにし礼
作曲:滝沢洋一
編曲:大村憲司・国吉良一
アルバム『fado』(1984)所収
滝沢洋一プレイリストが無料公開中
今回取り上げた10曲以外にも名曲は数多い。その他の滝沢作品については、スポティファイ上のプレイリスト「Japan CityPop 滝沢洋一作品集 Yoichi Takizawa works 1977-」で公開されている。 現時点でサブスクが解禁されている滝沢の全作曲作品を無料で聴くことが可能だ。
また、サブスクが解禁されていない楽曲を含む全52曲を網羅した、YouTubeプレイリスト「滝沢洋一 作品集 Yoichi Takizawa song book」も公開されている。
● 滝沢洋一 作品集 Yoichi Takizawa song book(YouTubeプレイリスト)
さらに、ネットユーザーT氏が作成した「滝沢洋一全作曲リスト」が、2021年3月にネット上で無料公開された。ソロ作品から提供作品まで、わかりやすくまとめられており大変興味深い。まだまだ世の中に知られていない滝沢作品を聴くための良いガイドとなるだろう。