Fさん:そういえば今はいないと思いますけど以前はブレーキのない自転車と接触して云々と先輩ドライバーから伺ったことがあります。それってピストバイクのことですよね。
吉田:その接触事故はどんな感じだったか、伺ってます?
Fさん:確か一時停止無視して飛び出してきた自転車との接触だったと。その時の自転車側の言い訳は「止まれなかった」だったそうで、実はこの一言が裁判で有効だったという話も聞きましたね。
吉田:それは興味あります!
Fさん:その頃はドライブレコーダーもタクシーに装着されてない時期だったそうで、相手の自転車乗りは最初ぶつかってしまったことに対し謝罪してきたものの、その後は火災保険に加入していた保険会社から連絡が来て、弱者救済措置が云々と言われ先輩に過失があると言い出してきたそうなんです。
吉田:うーん、一時停止を無視して飛び出してきたというわけじゃなく、ピストバイクだったから止まれなかったわけですよね?
Fさん:はい。しかもその自転車はタクシーの運転席ドアへぶつかってきたらしいんです。
吉田:それだとあきらかに自転車側に過失が10割ある……んですが、保険会社からすると過失割合をなんとか減らそうと画策したのではないかと思いますよ。
Fさん:先輩が怒っていたのは「弱者救済は百歩譲って理解できるが、俺が座っていた運転席の真横に凄い勢いでブレーキかけられなく突っ込んできたのに保険会社の担当からは前方不注意になりますのでと言われ、弁護士からも当時はドライブレコーダーもなかったから過失割合で揉めて裁判になる可能性が高まってきたので、戦う意思で覚悟お願いしますと言われたんだよ」って当時話してくれました。
ですが、自転車で激突してきた人がハッキリと「止まれなかった」と言っていた発言があり、さらにそれを立証するようブレーキのない自転車……ピストバイクですよね、それに乗っていた側に大きな過失があるからと、タクシー側はあきらかに被害者を前面的に押し出して裁判したそうです。自転車乗っている方で保険加入せず走行している人が多いからなのです。
吉田:え? どういう意味ですか?
Fさん:結論から言いますと自転車の保険加入してない方から、接触事故を起こされると被害額請求しても全額支払って貰えないことが多々あるからだそうです。
吉田:つまり支払い能力がないってこと?
Fさん:簡単に言えばそうなりますね(苦笑)。会社の同僚の話なんですが、2人ほど自転車にぶつけられて修理費用出して貰えず揉めたままの案件が継続してます。
吉田:それはどういう状況で?