Fさん:でも警察側もなんだか面倒がって有耶無耶にしていたらしく、「その事故の現場で違反としてペナルティー処理をしていなかったから、今更違反として扱うのは厳しい」みたいなことを言われたんですって。
吉田:それは警察側の職務怠慢だよ。
Fさん:ですよねー! 私もその話を聞いて同じことを後輩君に言いました。結局、事故処理はとっくに済ましてしまっているからと配達員への交通違反なペナルティーを与えられずにフィニッシュへと……。
吉田:警察の良くあるあるケースでもあったりしますよ。こういうのって。どう考えても自転車の一時停止無視で事故が発生していたとしても、なぜか交通違反として違反キップも切られず反則金も支払わないで済むケースは良く聞きます。まぁ、これで解決したわけですから、後輩君は不満かもしれないですけど、良い勉強になったんじゃないですか?
Fさん:実はまだこの接触事故の問題が完全に解決していなかったりもするんですよ……。
吉田:問題が完全に解決していないというのはどういうことですか?
Fさん:和解勧告が裁判所から出て、ウーバーイーツの配達員は何も保険加入していなかったこともあって……つまりお金がなかったんですよ。資産が何もない状態。
吉田:ということは、タクシーの修理代に対し支払い能力がないってこと?
Fさん:ええ、まさしくそうなんです。和解勧告でしたので直接配達員にタクシーの修理代の支払いをしてもらうことで話し合いはついたんですよね。ですが、配達員の男性は20代前半の独り暮らしで貯金もなく、驚いたことに現状でウーバーイーツの収入が毎月15~20万円ほどでの生活。生活費を差し引いてもタクシーの修理代20万円だったかな? その金額が一括で到底払えるわけもなく、最終的に毎月5000円の分割支払いに。
吉田:え? それで許されるわけ?