客が「他のお店と比べたい」と言い出したら一流店員はどう振る舞うか

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足を運んだお店にお目当ての商品があったとしても、他店とくらべてみたいと思ってしまうことも多々あるもの。では、自分が接客しているお客様がそう口にしたとしたら、販売員としてどう対応するのが正答なのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、二流以下、一流、超一流の3タイプの振る舞いを具体的に紹介。さらに坂本さん自身が驚いたという接客についても記しています。

どう送り出すか

お客様から「他の店も見てみたい」と言われることがあります。自店の商品を気に入ってくれていて、購入を迷っているけれど、やはり他との比較検討もしたいということでこのように言われることはよくある話です。

「ちょっと考えてきます」「誰々と相談してきても良いですか」などと言われることもあるかもしれませんが、それらも同じ意味合いです。それが体の良い断り文句になっていることも実際にはありますが、きちんと接客をしていてお客様が本当に迷っている時も多々あります。

こういう時、どんな対応になるかで販売員の質がわかるものです。

二流以下の販売員は、お客様から比較検討したい旨を告げられると、途端に興味を失ったかのようになってしまったり、やたらと焦り出します。

「そうですか、わかりました」と、それまで懸命に接客してくれていた人とはまるで別人かのように急に冷たい態度を取る人もいれば(これはもう論外ですけどね)、「何とか買ってもらわないと!」と焦り出して、「今買ってもらえたらポイントが~」とか、「限定品なんですぐ無くなりますよ」のように畳み掛けるようにクロージングをかけるような人もいます。

では、一流の販売員はどうするかというと、「かしこまりました、ぜひご覧になってきてください」と、お客様の心情を察して気持ちよく送り出します。

商品そのものにも、そこまでの接客にも自信があり、お客様が落ち着いて考えても、購入してくれるだろうと捉えられているため、急に焦ってみたり、冷たい態度を取るようなこともなく、お客様の不安を煽るようなこともしません。「遠慮なくいくらでも考えてもらって大丈夫」と送り出すことができるわけです。

お客様からしても、そうしてもらうことができると、悪い印象を持つこともなく冷静に考えられますから実際に購入に繋がることは少なくありません。

こうした接客は素晴らしいなと思いますが、これを超えてくるさらに超一流の人も存在します。

超一流の販売員はお客様から考えたいと言われてどう送り出すかというと、「他に検討すべきことを伝える」のです。

接客で提案していた商品について、「考えたい」と言われれば、普通は「どうぞ落ち着いて決めてください」と送り出すまででも十分です。しかし超一流の人たちは、「それならこの店を見ると良いですよ」「こういう商品がこのブランドにあるので、比較しやすいと思いますよ」など、他店や他メーカーの商品についても事細かに教えてくれたりします。

自店(自分)の売り上げが無くなるかもしれないのに、他の店舗のことをお客様に伝えて、比較見当をしやすくしてくれるのです。

これはなかなかできることではありません。

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