同意も制限もなし?個人情報を守る気などないデジタル改革関連法案

 

●uttiiの眼

バブル経済の頃、あるフリーの「不動産業者」を取材したことがあった。電話1本で富裕層に別荘などを売る商売だったが、そんなことが可能だったのは、大枚を払って手に入れた様々な名簿を掛け合わせ、営業を掛ける相手先のリストを作り上げていたからだった。資産があって、別荘を買ってくれそうな対象者がリストアップされていれば、あとは電話を掛けるだけ。使われた「リスト」は“美味しいカモのリスト”として、さらに他の業者に高値で転売されていく。

デジタル改革関連法案が成立すれば、津々浦々の個々人の病歴や資産状況のデータにクエリー(データベースに対する要求)を掛け、あの不動産業者が苦労して手に入れていたようなリストを、たちどころに何種類も作ることが可能になる。情報は、「カネのなる木」そのものと言って良いだろう。もちろん、行政機関、とくに警察は、こうした情報へのアクセスに大きな魅力を感じるだろう。とてもではないが、チャチャっと通して良い法案ではない。

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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