無礼千万。日米首脳会談の質疑応答で露見した米国マスコミの本性

 

7)一方で、菅総理のステートメントは大真面目という印象。同盟と安全保障、2+2の確認、インド太平洋についての確認、ASEANとの協力。中国の及ぼす影響について真剣に議論して、力による現状変更に反対で一致。

8)更に菅総理からは、それぞれが中国との率直な対話、普遍的価値擁護で安定へ。北朝鮮の安保理決議履行を。拉致は人権問題、即時解決。日米韓の3カ国協力を推進。とレトリックなしの直球一本の発言。但し、日米韓3カ国の協力という文言は重い。

9)そして、日米同盟の抑止力、防衛力強化の宣言、安保の尖閣適用コミットについて合意と明言。また、普天間固定化避けるための、辺野古推進ということも強調。

10)コロナ、気候変動への危機へおいても、日米は欠かすことのないパートナー。多国間の取り組みへの責任。多国間主義と法の支配。

11)共同声明では「グローバル・パートナーシップ」で一致。つまり、日米コア・パートナーシップ(デジタルと競争力のイノべーション、コロナ、気候変動)ということ。具体的には、デジタル分野の様々な開発について日米協力、コロナについては短期から長期の重層的な協力。

12)特にワクチン協力については「途上国への公平なワクチン提供を日米で」という言い方で、日本へのワクチン提供で合意というニュアンスか。

13)気候変動については、気候サミット(来週)、日米で世界の脱炭素をリードする日米気候パートナーシップを宣言。

14)アジア系への差別、暴力について議論がされたというのは、良い意味でのサプライズ。人種など差別を行うことは断固として反対だというバイデン発言を菅総理は歓迎、その上で、米国の民主主義を評価という総理発言。この部分は、共同声明には入っていないが、もっと評価されていい。

15)東京五輪実施の決意とバイデンの支持、これは外交辞令か。自由、民主主義、法の支配、これを共有価値、自由で開かれたインド太平洋の実現ということで、当初予定されたアジェンダについてはカバーしているという印象。

16)続いて質疑応答、トップはAPだったが、銃規制の優先順位とインフラ整備案の話だけで、日米関係には触れず。失礼千万。ロイターもイラン問題についてのみ。アメリカのメディアは、とにかく日米関係など関心はない様子。

17)一方で、日本側もなぜかトップバッターは産経。で、その産経は台湾について、台湾環境について、新疆問題での制裁しないのは何故といった具合で、まるで官邸と示し合わせたような挑発的な質問。これに対して菅総理は「台湾も新疆の問題も話し合ったし、日本の立場を説明した」と無難な回答。

18)続いて共同通信からは、五輪にアメリカは選手団出すのか?ワクチン供給は?というなかなか鋭い質問。これに対しては、総理からは「バイデンは五輪支持、協力継続」そして「気候変動やコロナは官民協力、パートナーシップ」ということで、無難に逃げられた。バイデンの回答を引き出すこともできずに終了。

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