さて、令和3年時点でこの妻は47歳ですが、お付き合いしていた男性Aさんが居た。子供が高校を卒業した事で、Aさんとお互いに結婚を考えていたが、令和3年6月中に婚約する。結婚すると遺族年金は無くなるという事を知っていたが、まだ婚約だけの段階なので遺族年金は消滅しない。正式にまだ婚姻届けは出さずに、令和3年7月から同居し始めた。婚姻届けを出さなければまだ遺族年金は出ると思っていたが、令和4年10月にようやく正式な婚姻となった。
ここで再婚を理由に遺族年金についての消滅手続きをした時に、実は「婚姻の合意と、かつ、夫婦としての共同生活の実態」が令和3年7月からすでに始まっていたので本当は令和3年7月に遺族年金を消滅させなければならなかった。よって、令和3年7月から令和4年10月までの16ヶ月分の遺族厚生年金89,915円×16ヶ月=1,438,640円は年金機構に返済する事になる。この人の返済は納付書による。
※ 追記
もし事実婚などを届け出ずに、何年も過払いの状態が続くとします。たとえば上記の人が8年間貰い続けると800万円ほどの過払いになり、もちろん年金機構に返済してもらいます。ですが年金には5年の時効があるので、5年を過ぎた3年分は時効消滅し、実際の返済は直近5年分の約500万円となる。
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