倒木の危険性もあり。ブナ科の樹木を襲う伝染病「ナラ枯れ」とは

 

私の自治体のホームページには、下記の内容が書かれています。

伝染病に感染した樹木内で繁殖したカシノナガキクイムシは、6月から8月頃にかけて、別の健全なナラ類、シイ・カシ類の樹木にナラ菌を持って移動し、伝染病が拡大します。

 

したがって、ナラ菌の感染が進行した樹木は、感染を拡大させないため、カシナガの幼虫が羽化して飛び立つ前(5月まで)に、伐採・焼却処分を行う必要があります。その方法は、下記となります。

 

  1. 伐採:根元付近に多く侵入するため、根元から10センチメートル以下の高さで伐採
  2. 切断:伐採した幹や枝葉を切断(チップ化処理するため長さ80センチメートル程度)
  3. くん蒸:切り株を殺虫・殺菌するためくん蒸
    樹木に薬剤を浸透させ、ビニールシートなどで密閉し、害虫の駆除や殺菌をする方法(2週間程度)
  4. 搬出:切断した幹や枝葉を処理施設に搬出
  5. チップ化:焼却処分するため、幹や枝葉を細かくチップ化
  6. 焼却処分:チップ化した幹や枝葉を焼却処分

 

感染が確認された樹木は、その樹木管理者により適正な対応が必要です。

 

市では民有地への感染拡大を防ぐため、公園や緑地で感染が確認されたすべての樹木について、管理責任者として3月末までに伐採・焼却処分を行います。

 

民有地についても、その樹木管理者が伐採から焼却処分(上記1から6)までを自ら行う必要がありますが、市は、感染拡大防止の観点から、今回に限り、市の管理樹木の処分に併せてチップ化と焼却処分(上記5、6)を行います。

ナラ枯れ感染拡大防止のおねがい

昨年から、人間の世界では、新型コロナウィルスのパンデミック、植物の世界では、ナラ枯れのパンデミック(と表現されている専門家が…)。共に、その背景には、地球環境の変化があると思われ、深い因縁のようなものを感じてしまいました。

皆さんの地域、マンションはだいじょうぶですか?皆さんの自治体では、どんな対策が取られていますか?この話を友人にしていたら、そもそも、自分のマンションの庭にどんな樹木があるかなんて知らない~と。私も同じようなものです。

近隣の感染状況や自分のマンションの樹木の種類を確認して幹の根元近くの変化に気を付け、兆候が確認されたら、樹木がカシナガのタワーマンション化してしまわないうちに、できるだけ早く処理して、周りへの飛び火を防ぐことが重要になってくると思います。ナラ類、シイ・カシ類(ドングリの実がなる)の幹の太い木がある場合は特に要注意です。

そして、いろいろ調べると…森林のナラ枯れは深刻で、重点箇所においては、可能な限り閉じ込めて広がらない対策をとらなければならないのですが、たくさんの樹木が密集している森林で、完全にカシナガの飛び火を防ぐのは至難の業で、大木を予防的に伐採してしまうしかないという話まであります。森林での巨木の枯死は将来的な斜面崩壊にもつながる可能性が高いと心配されています。

最終的には、地球環境を回復して、樹木の生命エネルギーを高めるしかない…というところは、人間と新型コロナウイルスとの関係と同じかもしれない…と思いました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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