コロナ禍で好調だった白物家電。何が売れ、何が売れなかったのか

 

日本経済新聞によると、この高級トースターブームに火をつけたのが、バルミューダの「ザ・トースター」とのこと。一台2万円以上するそうですが、おいしく焼けると評判です。バルミューダが高級トースター市場を拡大させたことを受けて、対抗してパナソニックも、美味しく焼ける上に、フランスパンやクロワッサン、惣菜パンなど、さまざまなパンを手軽に焼ける、オートメニューがついた2万円以上の機種を出しました。毎日食べるトーストなので、少しくらい高くてもいいものが欲しい、という人が増えているのでしょう。

工夫された商品という中では、アイリスオーヤマの2面で焼けるホットプレートが話題になりました。片方で、たこ焼き、もう一方で焼きそばといった具合に、違うものが調理できるのがミソです。また、それぞれの面の温度調節もできるので、片方で作りながら、もう片方で温める、といったことができるのです。

さらに、真ん中で折り畳めるので、収納も便利ですよね。これだと、ファミリー層だけではなく、高齢の夫婦の方や、シングルの人にも需要が見込めます。

マーケティング活動では、人々の生活のスタイルが変わると、買うものも変わるという変化を、いち早く捕らえることが重要です。そうはいうものの、「変化と言われても、そう簡単には見つからないよ」「変化があったとしても、何を見つければいいのか分からない」という声もよく聞きます。

そんな時は、もしあなたのビジネスの周りの変化をみつけたら、「あともう少し環境が変わったら、お客様はこう動くな。そうしたら、次にこうするだろうな」と、数珠繋ぎで推測してみましょう。こういった、推測して仮の結論を出すことを「仮説」と呼びます。お客様ニーズを発見するには、このように、連想ゲームのようなイメージで、考えていけばいいのです。

たとえば、このコロナ禍での消費者の生活行動の変化に関しては、「外出できない、なので家にいる、そうすると毎日の生活で家にいる時間が多くなる、そうなると、自分で料理を作るだろう、となると、美味しく作れる機能を足して、新製品を開発しよう」といった具合です。

今回の家電製品の売れ筋をみていると、生活の変化を先取りして予想した付加価値をつけた商品が、ヒットしているように感じました。

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