猫好き医学博士に聞く。愛猫にステロイド剤の投薬は続けるべき?

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しゃべる猫「しおちゃん」の飼い主として有名な米国在住の医学博士しんコロさんが発行するメルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』には、多くの質問や相談が届きます。今回は愛猫が「好酸球性胃腸炎」と診断された読者が投薬について質問。しんコロさんは、病気の原因と症状から薬の効能と注意点を解説。食物アレルギーをチェックするためキャットフードを替えてみるなど具体的にアドバイスしています。

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8歳の猫が下痢と嘔吐を繰り返し激痩せに…ステロイド剤の投薬は続けるべき?

Question

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昨年末、8歳の次女猫「姫」が下痢と嘔吐を繰り返し、食欲が無くなり見る見る内に痩せてしまい、かかりつけ医に駆け込み入院しました。「好酸球性胃腸炎」の診断にて12日のち退院、ステロイド剤の投薬加療を続けています。お財布も痛かったですが、このままずっと薬を飲み続けなければならないのでしょうか?教えてください。

しんコロさんからの回答

好酸球性胃腸炎とは、そもそもどんな病気なのでしょうか?まず、好酸球とは免疫細胞の1種ですが、アレルギー反応に深く関与しています。胃腸炎だけでなく、ぜんそく、アトピーの発症にも関わっている細胞です。好酸球が胃腸の組織に多く集まり、そこで慢性的な炎症を起こすと、嘔吐や下痢、栄養障害などが起こることがあります。

好酸球が炎症を起こしているので、治療としてステロイドを投与するのが一般的です。ステロイドは効果がありますが、免疫を抑制する薬でもあるので、長期で投与するには副作用もあるので、獣医としっかり相談する必要があります。同時に、なぜ好酸球性肺炎が起きたか、食物アレルギーがあるかどうかを確認して下さい。

もし穀物やとうもろこしが入っているキャットフードを与えている場合は、肉ベースのものに切り替えて症状が改善するか観察して下さい。それでも改善がない場合は、普段与えているキャットフードに含まれるタンパク源とは違うものを使用したアレルギー向けフードもあるので試してみると良いかもしれません。

一般的なフードは鶏肉がよく使われますが、アレルギー向けフードでは、カモ、ターキー、ラム、うさぎ、ベニズン(鹿)などの肉を用いたキャットフードもあります。もしくは、アレルギー反応を起こしにくい、加水分解したタンパク質を用いたフードもあります。キャットフードを替えることで症状が収まれば、ステロイドを減らしつつ様子を見ることが可能です。そういった方針も含め、かかりつけ獣医と相談しつつ方針を決められると良いと思います。

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ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。

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