【サーチ&リサーチ】
*この間「性能検査」の「偽装」で問題になった企業を記事の範囲で紹介する。
東洋ゴム工業
「枚方寝屋川消防組合(大阪府枚方市)の新庁舎に設置する免震ゴム19基について、国土交通相の認定基準を満たしているかのような虚偽の性能検査成績書を作成し、性能データを偽装。13年6月に偽装を把握したが、15年3月まで公表しなかった。」
*裁判では「個々の担当者の不正にとどまらない会社ぐるみの犯行」として、求刑通り罰金1千万円が言い渡された(2017年12月12日付)。
日産自動車/スバル/スズキ/マツダ/ヤマハ
発端は2017年9月。日産自動車が国内全6工場で資格のない検査員が検査をしていたことを発表。さらに、その後スバルでも同様の不正が発覚。日産とスバルでは国交省が工場の立ち入り検査などで不正について調べるたびに、次々に新たな不正が見つかる失態が続き、スバルは社長が引責辞任。
*発端は「無資格検査」だったが、「日産自動車の複数の工場で、新車の出荷前に行う排ガス性能の検査結果を、都合よく改ざんする不正が行われていた」ことが発覚。スバルでも排ガスや燃費のデータ改ざん、ブレーキの検査不正などが相次いで発覚。調査の過程でスズキ、マツダ、ヤマハなど大手自動車・二輪車メーカーの不正も発覚した。
今回の三菱電機のケース
(uttiiの眼)
家電にせよクルマにせよ、性能は重要な競争条件。最近はあまり言わなくなったが、消費者に訴える自動車の性能の第一が「燃費」だった時には、各社、1リッターのガソリン当たり何キロ走れるか、競い合っていた。その「性能」を偽装したのでは話にならない。消費者を騙し、「技術」に対する誇りに泥を塗る行為として糾弾されなければならないだろう。
三菱電機のケースでは、トップシェアのメーカーとして、長年にわたって顧客を獲得してきた驕りのようなものが垣間見える。それにしても、「安全には問題ない」と言い切る姿勢は厚顔無恥と批判されて当然であり、そう言いながら株主総会では公表さえしなかったのは卑怯のそしりを受けても仕方あるまい。株主総会で言及されなかったことが、メディアへのリークにつながったのかもしれない。
この件が“発火点”となり、連鎖的に他社などの問題も発覚する可能性があるのではないだろうか。《朝日》《毎日》以外の新聞が明日以降何を書くのかにも注目だ。
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