三菱電機30年以上「偽装」のナゼ。不正に手を染める日本の大企業たち

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大手電機メーカーの三菱電機は、鉄道用の空調やブレーキ関連の装置に関する性能検査で「偽装」があったことを認め、2日に杉山武史社長が記者会見し、この責任をとって辞任する意向を明らかにしました。今回明るみになった三菱電機の「検査偽装」ですが、過去にも大手企業による同様の偽装が問題となりました。社長が辞任に追い込まれた偽装はなぜ起きたのか。メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』著者でジャーナリストの内田誠さんは、過去の新聞記事から「性能検査」「偽装」というキーワードで検索し、以前から起きていた同様の問題と、今回の問題との接点を探りながら、日本の大企業による偽装の原因を追及しています。

今回は三菱電機で発覚。日本企業が「性能検査で偽装」に手を染めた過去

【ラインナップ】

◆各紙の1面トップの見出しから……。

《朝日》…三菱電機 性能検査で偽装
《読売》…五輪合宿 コロナ対策強化
《毎日》…三菱電機 不正検査35年超
《東京》…「接種加速」一転失速

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…「集団免疫」いつになったら
《読売》…株主提案 多様化
《毎日》…自由都市・香港 消えた
《東京》…拙速導入 背景に予算難

*《東京》の解説面は気象庁の「線状降水帯情報」について。

【ディレクション】

きょうは《朝日》から。三菱電機の「性能検査」で偽装があったとの記事、《朝日》と《毎日》がトップで載せています。「性能検査」と「偽装」で《朝日》のデータベースを検索すると、サイト内に8件がヒットしました。

【フォーカス・イン】

まずは、《朝日》1面トップ記事の見出しから。

三菱電機 性能検査で偽装
鉄道用空調 30年以上か
JRや私鉄 全国に納入
不適切と認め「安全問題ない」

三菱電機が鉄道車両用の空調設備を出荷する際、架空のデータを使って検査が適正に実施されたように偽装していたことが判明。30年以上続けられていた疑い。朝日新聞。三菱電機は不適切な検査の事実を認めた上で、「安全性に問題はない」と。

同社は、鉄道の空調分野では国内シェアがトップクラス。海外展開もしている会社。納入先はJR、私鉄の他、東京メトロなど地下鉄も。

検査は「冷暖房の性能」「消費電力」「防水」「耐電圧性能」などで行うことになっており、異常な高熱や発火、延焼などが起こらないようにするのが目的だったが、架空の検査データを検査成績書に記し、適正な検査を行ったかのように偽装していた。

今回、80年代から続いていた不正が社内で発覚。長崎製作所で納入先顧客が指定した検査を行わないまま出荷し続けていたという。同社は製品出荷を停止。経産省や納入先の各鉄道会社に説明を始めているが、29日の株主総会では説明しなかった。

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