これも運命か。大企業トヨタを救い、トヨタを作った「田舎者」たち

 

豊田喜一郎さんの存在なくして「トヨタ」はこの世になくて。一人の人間が、日本の将来を思い“高い使命感”を持って大好きなモノづくりに没入したのことが「トヨタ精神」をつくり上げました。あまつさえ「3年でアメリカに追いつけ」やそれを可能にさせる「ジャストインタイム」のアイディアでもって独自の高みに登らせました。

その精神性が和してやがて浸み込んで「三河人」の気風に根付いて「トヨタ」という企業全体の精神性をつくり上げていったと言えます。一人とその土地の多くの人の精神により、企業の文化が形成されてました。

トヨタの企業文化は、佐吉翁に始まり喜一郎さん等が基礎をつくったもので、「トヨタの綱領」としてこのように明記されました。

一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし
一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし
一、華美を戒め、質実剛健たるべし
一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし
一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし

石田退三さんから“トヨタの風土”についてのあり様を、聞きます。

「田舎者のええところといえば、なによりも純粋と勤勉とである。田舎者はひたすらに直進する。骨惜しみをしない。苦労をいとわなぬ。しぶとくて、何事にも真っ正直である。それではいささか世間を狭うするんじゃないかと、心配してくれる向きもあろうが、しかし、そこにはまた人一倍の勉強心もあるのである」

と、トヨタの強みの基盤を述べています。

だからこそ、その発祥の地から出ていくことを忌避します。トヨタが豊田佐吉、喜一郎に発する“精神性をなくしたら”独自性も強みも持たないどこにでもある大企業となり、その威力を減じるでしょう。

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