ある種の才能かも。「怠け者店長」が作っていた働きやすい空気

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仕事が好きで仕方がないという理由であれ売り上げを取りたいという理由であれ、自身があまり休みたくないと考えている方は、「部下を不幸にしているかもしれない」という意識を持つべきかもしれません。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、かつて遭遇したという、自身を含めた全スタッフの休みの確保に全力を傾ける店長と、彼の店舗での働きやすさを紹介。その上で、休みを取りづらい雰囲気で部下を追いつめることがないような、「気兼ねなく休める職場を作るマネジメント」の大切さを説いています。

怠け者の店長

以前勤めていたある店に、一見すると怠け者な店長がいました。私はその店長の下で働いていたのですが、その店長はとにかく、いかにちゃんと休めるようにするかを考えているように見えました。

もちろん、売り上げを取ることには意識がちゃんと高い方でしたから、売り上げを落とすようなことはありません。でも、自分の休憩時間や休みはなんとしても確保しようという意識が強くて、忙しい時でもいかに休憩をうまく回すかを出勤時からずっと考えているようなイメージです。

私は最初の頃、「なんだか怠け者っぽいなぁ」と感じていました。でもずっと一緒に働いていると、あることに気づきます。私を含めたスタッフが、やたらと働きやすいのです。

その店長は自分の休憩時間や休みを確保することに全力を傾けていましたが、そうするために、スタッフもちゃんと休めるようにしていました。例えば、自分が休憩時間を目一杯取るためにも、スタッフにも同じように目一杯休憩をさせるのです。早く戻ってこようものなら、「休憩は休憩なんだから、ちゃんと休んで」と言ってきます。

途中お客様の来店があって、どうしても戻らざるを得ないような場合でも、「さっきは呼んでごめんね。接客が終わったみたいだから、残り時間休憩してきて」ときちんと時間通りの休憩を取らせてくれます。

またシフトの休みに関しても、連休が欲しいと言うスタッフがいれば調整して連休をどんどん与えていきます。その分店長も、「旅行に行ってくる」と連休を取るのですが、スタッフ全員が快く送り出します。店長が旅行に行ってくれれば、自分たちも旅行に行きやすいからです。

そんな状態なので、店長がしっかり休んでも誰も文句など言うこともなく、ちゃんと休めて精神的にも楽になり、売り上げもしっかり取れていたのですね(言うまでもなく売り上げを取るためにやるべきことは、しっかりやっています)。

個人的には、これってある種の才能なんじゃないかと思っています。

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