ホンダがグーグルとのこれまでの連携をさらに強化し、来年2022年以降のホンダ車に搭載されるOSはAndriodベースになると発表されました。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、自身がホンダ車ユーザーということもあり、親しんできた「OK、ホンダ」のキャラクターの扱いを気にしつつも、さらなる利便性向上に期待。一方で、「車内Wi-Fi」の利用料金が高額であること、SIMロックによりユーザーが通信会社を選択できないなど問題点を指摘し、岸田新政権による対応を求めています。
ホンダとグーグルが連携強化。Android Automotiveを搭載へ──クルマの「SIMロック禁止」義務化は実現するか
ホンダとグーグルは連携を強化すると発表した。2022年以降、ホンダのクルマにグーグルの自動車向けOS「Android Automotive」を搭載。Google Mapや車内エンタテインメントなどインフォテイメントをAndriodベースで提供していくとした。
ホンダはシリコンバレーにHonda R&D Innovationsがあり、そもそもグーグルと仲がいい印象だ。2014年にグーグルが立ち上げた「Open Automotive Alliance」にも初期メンバーとして参加。当時、Google I/Oの取材にサンフランシスコに行ったら、グーグル広報がホンダの開発責任者のグループインタビューを設定してくれたなんてことがあった。
これまではAndroid Autoとして、スマホを車内に持ち込んだら、ディスプレイにスマホの一部機能が表示され、操作できるという限定されたものであったが、ようやくAndroidが本格的に車内インフォテイメントとして稼働するようになる。
実は現在、個人的には「OK、ホンダ」と話しかけるとカーナビの目的地などを設定できたりするホンダ車に乗っているのだが、数年後には「OK、ホンダ」のキャラクターがリストラされてしまうと思うと、なんだか悲しい気持ちになってくる。
実際にどこかへ出かけようと思うと、すでにスマホのGoogle Mapで検索していたりするので、CarPlayやAndroid AutoでGoogle Mapを立ち上げれば、すぐに目的地を設定できるのはかなり便利だ。これがAndroid Automotiveになれば、もっとクルマとの親和性が増すのだろう。
自分が乗っているクルマには「車内Wi-Fi」が利用できるようになっているのだが、料金設定が1GBで300円と、ちょっとかなり割高な感がある。楽天モバイルがKDDIに支払うローミング費用に比べれば安いかも知れないが、もうちょっと安く使えるとありがたい。
おそらく、ソフトバンク回線を使っているものと思われるが、こうしたクルマ向けの通信回線もSIMロック解除が義務化にならないものか。そもそも、クルマのどこにSIMカードが刺さっているのか、皆目見当もつかないのだが、可能であれば、もっとコストパフォーマンスのいい回線に切り替えたいと思う。
ソフトバンク回線以外に切り替えられなくてもいいから、LINEMOの20GBプランとかワイモバイルの中容量プランに変更できたらどんなに便利か。
なんとなく、大手3社の自動車会社と大手3社の通信会社は「トヨターKDDI」「日産ードコモ」「ホンダーソフトバンク」という構図ができつつある。通信回線もガッチリとロックがかかっている印象だ。
クルマのなかの利用と言うことで、子供であればYouTubeやNetflixといった動画を見たいだろうし、仕事での移動であれば途中でビデオ会議にも参加したい。
今後、Android Automotiveが一般化することを想定すると、「クルマのなかにおける通信料金の高止まり」が問題視されてきそうだし、菅政権の次の総裁には「クルマのSIMロック禁止」の義務化に努めてもらいたい。
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