正夢、逆夢、悪夢に吉夢。毎日見ているらしい夢でもすぐに忘れるものもあれば、ずっと覚えているものもあります。印象的な夢を見ると、何か意味があるのではないかと気になりますね。今回、メルマガ『富田隆のお気楽心理学』著者で心理学者の富田隆教授が診断するのは、「火球(かきゅう)に遭遇。その後に現れたのは昔の東京の街並み」という不思議な夢。明るく周囲を照らす火球と昔住んでいた街の夢はどう繋がり何を示しているのでしょうか。
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火球(かきゅう)の夢を見ました
Question
「火球(かきゅう)」の夢を見ました。64歳の男性です。おそらく、テレビのニュースなどで、あちこちに「火球」が出現したのを観ていたせいかと思います。
夢の中、私は夜道を歩いて帰宅する途中でした。その時、突然、空に火球が現れたのです。火球はものすごい速度で頭上を通過し、大玉の花火が破裂したような轟音と共に消え去りました。火球は、ほんの数秒、辺りを昼のように明るく照らし出しました。
すると、不思議なことに、さっきまで歩いていた家への帰り路は、昔、自分が子供の頃に生まれ育った東京の街並みに変わっていたのです。幼いころの友人や近所の人たちの顔も、何人か確認できました。嬉しくなった私は、近くにいた幼馴染のKちゃんに、火球を見た感動を伝えようとしましたが、なぜか声がでません。
もどかしい気持ちをかかえたまま、眼が覚めました。起きた後も、この夢にどんなメッセージが秘められているのか考えてみましたが、なかなか良い解釈に至りません。何かヒントを頂きたく、お便りいたしました。よろしくお願いいたします。
富田隆先生からの回答
これは、ある種「啓示」のような夢ではないでしょうか。火球は、「予期せぬタイミング」で突然現れます。しかも、それは、天(形而上的世界)から遣(つか)わされたものです。辺りを昼のように明るく照らし出し、闇に潜んでいたものを「見える」ようにします。
そして、まるで、神様からの「啓示」のように、貴方の前に現れた半世紀前の東京の姿。それが何を指し示すものなのかは、まだ、今の貴方には分かりません。Kちゃんに話しかけようとしても声が出なかったことは、貴方のもどかしい気持ちを表しています。
昔の夢は、その頃の心理的な「積み残し」や「宿題」を思い出させるためのものであることが少なくありません。あの頃、うまく出来なかったことや、手を付けられなかったことが、きっと今の貴方なら出来るのです。それは、貴方の「これから」を切り拓くために必要なものなのかもしれません。
それが、何なのか、もう一度、幼い頃を振り返ってみてください。すぐに答えは見つからなくても、2~3日後には、突然の「気づき」が火球のように現れるかもしれません。
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