朝日新聞の大罪。米有力紙に載った「慰安婦追悼」記事の偏向内容

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かねてから「情報戦」に弱いと言われ続けてきた日本ですが、こと「慰安婦問題」については取り返しのつかない地点にまで追い詰められているようです。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、10月21日にニューヨーク・タイムズに掲載された従軍慰安婦を追悼する記事を翻訳し紹介。その「偏向」ぶりを批判的に記すとともに、日本は熾烈な情報・宣伝戦において世界から完全に取り残されているとの見解を示しています。

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NYタイムズで追悼される従軍慰安婦

従軍慰安婦問題、日本では朝日新聞の1990年の誤報が引き金になったとの認識が定着しつつあります。

「もし本当にそんな性奴隷的な強制連行があったら、植民地であったとしても現地の人が黙っているはずがない、暴動がおこったはずだ。悲しい事ではあるが、貧困の中でビジネス的な合意のもとでの売春行為であった」との認識です。

従軍慰安婦の方への給料明細などを見ると結構な金額です。また彼女らが休日を自由に過ごしていた記述もあります。これを性奴隷と言うのは間違いだともいわれます。

しかしながら、今も、朝日新聞の認識に基づく従軍慰安婦に関する報道が世界でされ続けています。

ニューヨーク・タイムズは世界的な大新聞です。以下は2021年10月21日のオンライン版に掲載されていた記事です。

亡くなった従軍慰安婦を追悼する形です。

もう見過ごせない。慰安婦の沈黙を破った金学順(キム・ハクスン)さん

 

彼女の証言は、世界中の人々の沈黙を破るきっかけとなった。

 

1991年8月14日、ソウルの安宿で一人暮らしをしていた女性が、テレビカメラに向かって「キム・ハクスン」と名乗った。彼女は、17歳の時に中国の慰安所に連れて行かれ、毎日数人の日本兵にレイプされたことを克明に語った。

 

記者会見で彼女は、涙を拭いながら、あの怪物のような兵士たちが私に押し付けてきたときは恐ろしかった。「逃げようとすると、捕まってまた引きずり込まれました」。

 

彼女の力強い証言は、日本の政治家の多くが何十年も否定してきた歴史に人間的な顔を与えた。

 

歴史家によると、1930年代から終戦まで、日本はアジアや太平洋地域の軍が運営する施設(原文:レイプセンター)に推定20万人の女性を強制的に連れて行った。これは、国家が主導した性的奴隷制度の歴史上最大の例のひとつだ。

 

韓国では、最終的に238人の元慰安婦が名乗りを上げた。

 

日本は1993年に画期的な謝罪を行い、軍が「直接的または間接的に慰安所の設置と管理に関与した」こと、慰安婦の募集に「説得」と「強制」が使われたことを認めた。

 

金さんは、連れていかれた家で最初の夜に日本人将校にレイプされたと、元慰安婦の証言集で語っている。

 

そこには5人の韓国人女性がいて、そのうち少なくとも3人は10代だった。

 

兵士たちは家を守り、食料を供給し、彼女たちが生理中であってもセックスに利用していた。

 

週に一度、軍医が来て性病のチェックをしていた。キムさんが逃げようとしたり、兵士に抵抗しようとすると、蹴られたり、鞭で打たれたりしたそうだ。

 

「兵士たちが遠征から帰ってきた日には、私たちはそれぞれ10人から15人もの男性を連れて行かなければなりませんでした」

 

キムさんは1991年、日本政府が慰安婦の募集を否定したというニュースを聞き、女性人権団体に連絡を取った。

 

当時、被害者である女性は、恥と沈黙の中で生きることを期待される文化の中で、自分の過去を隠していた。

 

彼女は1991年に、「私は日本の人々に、『あなた方はそんなことはなかったと言うけれど、私はそのすべてを生き延びて、生きた証拠となっているのだ』と抗議したかったのです」と語っている。

 

「誰も私に代わって話してくれないから、死ぬ前に話したかったのよ。私は、日本人が本当に申し訳ないと言っているのを聞く以外、何の望みもありません」

 

金さんは、日本政府に性奴隷制の法的責任と補償を求める活動を生涯続けた。しかし、彼女はその願いを叶えられないまま亡くなった。

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