経営姿勢について
松下翁は、つねに日本全体、産業全体のことを考えていました。こうした経営姿勢は、本当に立派です。「松翁論語」の中で、次のように言っています。
他人の社会的責任を追求する人は多いが、自分の社会的責任を追求する人は少ない。(巻4、357)
他人ではなく、自分に厳しくあれ、ということです。そして、
自分だけ儲けようという考え方は、どこかに弱さがある。社会とともに発展するのだ、世の中のためになる仕事をするのだ、と考え実践してこそ、経営に力強さが生まれる。(巻5、459)
とあります。「社会とともに発展する」という視点は、スゴイです。ですから、
経営者は、自分の商売から、業界、産業界、さらには、社会、政治、国家、世界まで拡げて、一連の責任を自覚することが要望されている。(巻4、329)
それが経営者の責任なのだと訴えています。そこで、次の言葉につながるのです。
日本の産業界全体がつながって繁栄していくことを、つねに考えつつ、自分の商売を守り抜いていく、それが産業人としての責任、経営態度というものである。(巻4、328)
素晴らしいですね。スポーツ用品業界で、このような考えをしている経営者はどれくらいいるでしょうか。産業界全体とまでは言わなくても、せめて業界全体のことだけでも考えて欲しいものです。それが、松下翁の言う、正しい経営態度ということになります。さて、あなたはいかがでしょう。
■今日のツボ■
・感謝の心を持つことで、みなから歓迎される
・人間として成長すれば、企業も成長する
・経営者は、つねに産業界全体の発展を考えることだ
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