自宅で忙しく仕事をしている時に、ぱぱっとスマホで注文できれば、少しくらい高くても、いいから届けてほしい、と思う人も多いでしょう。
また、私も料理をやるのでわかるのですが、作り始めてから「あ、玉ねぎ買い忘れた」などという時にはとても便利でしょうし、「あと牛肉さえあれば青椒肉絲ができるのに」というような時は、頼みたくなります。
アプリによると、「商品は実店舗とほぼ同じ価格を実現しております。オニゴーの配達料は、お買い上げの金額に関係なく、一律300円です」とあります。
サービスの提供場所や、10分で届けることをうたっていること、そしてこの配送料を見ても、送料の300円の負担よりも、「時間を大切にする」「時間を買いたい」「手間をかけたくない」という層を、ターゲットにしています。
加えて、営業時間が午前10時から午後10時までと長いこと、さらに定休日がないということで、注文後はアプリの中でのチャットで、お届け状況を連絡します、とのことなので、かなり便利なサービスを実現しています。人口が密集している地域でこれから広がりそうなサービスと言えます。
ここで言えることは、ダークストアも「小売店」だということです。しかも、品揃え、値段はほぼ他と同じ。ただ、大きく違うのは「すぐ届けます」という1点のみ。コロナにより外出したくない層が出てきていること、彼らが、うちでご飯を食べること、そして、時間を大事にすること、この3つのニーズを見逃さず、サービスを提供できたのです。
スタートアップ企業や、大企業での新規事業も、「何ができるか?」を先に考える前に、「何が求められているのか?」という、ニーズから逆算して、自社の製品やサービスを開発することが重要です。
ダークストアのように、スーパーニッチの市場を見つけ、そこに製品を出せば、ライバルがいないので、価格ではないところで選ばれます。つまり、値引き不要、価格競争に無関係な、勝負ができるのです。スモールスタートには必須のアプローチですね。その意味でも、参考にできる事例です。
毎号「情報の何に気づくべきか?」という勘どころを解説する理央 周さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
image by: Shutterstock.com