中国がGDP世界第2位の自国を「まだ発展途上国だ」と主張する根拠

 

また、国際郵便の分野でも、途上国の扱いをめぐって米国と中国の間で摩擦が生じている。特に中国は、発展途上国として小口郵便物を低価格で送ることができる。米国は、これが自国の負担になると訴えている。中国は「発展途上国」であるかどうかも、中米衝突の争点の一つであるらしい。

途上国かどうかの判断は、原則として「自己宣言」が必要となる。WTOには、「先進国」や「途上国」を定義する具体的な枠組みはなく、各加盟国の自己申告による「誠意」に依存している。現在、WTOに加盟している164カ国のうち、半数以上の国が「発展途上国」に分類されている。

韓国は、1995年のWTO設立時に、自国は発展途上国と宣言したが、2019年10月、WTOにおける発展途上国としての地位を放棄することを決定した。韓国は時代の流れに乗った国である。ところで、韓国が途上国の地位を放棄した背景には、米国との摩擦を避けるためと中国側では言われていた。

中国は確かに軍事技術や宇宙技術では世界の先進国となり、経済も世界での影響力を増しているので、発展途上国とはいえ、これから先進国としての責任を負うことを学ばなければならない。世界が中国を恐れないように振舞ってほしい…とにかく中国は精神的に開発途上国を卒業したほうがいい。

一方、一度先進国の列に入れられても、ずっと先進国であり続けられるだろうか。状況は変わるかもしれない。また、ある面で先進国、ある面で後進国であることもおかしくない。例えば日本は、経済の面で依然として先進国だけれど、「デジタル後進国」、「新型コロナ対策後進国」、「ワクチン開発後進国」等々になってしまった。しかも、日本製の優位性はもはや明白ではない…。

日本としては、先進国の顔に固執せず、遅れている部分があることを認め、真の先進国の経験から学び、日本の欠点を補うことができるようにしてほしい。

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在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

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