習近平の止まらぬ暴走。クリスマス禁止令で世界を敵に回した隣国

 

際立つ異常性

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習近平政権は、欧米の文化を排除することで子供に愛国心や中国共産党への忠誠心を植え付ける狙いがある。だが、インターネット上では、「クリスマスは中国の若者には当たり前のイベントなのに、どう拒絶できるのか」と疑問視する声があふれている。
(同上)

たしかにクリスマスは、「イエス・キリストの生誕を祝う日」です。間違いありません。しかし、キリスト教徒以外の日本国民もクリスマスをお祝いします。「家族一緒においしいものを食べる日」あるいは、「彼氏彼女とロマンチックなデートをする日」ぐらいの意味でしょう。中国の若者にとってもその程度の意味であり、「神様とイエス・キリストを完全否定する中国共産党打倒を決意する日」ではありません。

中国の「クリスマス禁止令」。日本でいえば、「クリスマスは、神道、仏教を伝統とする日本の国体を破壊するから禁止しよう!」というのと同じくらい異常なことです(かつて、スペイン、ポルトガルはキリスト教会と組んで、植民地を獲得していきました。江戸幕府はそれを警戒し、キリスト教を禁止した。当時は、「意味あること」だったでしょう。しかし、現在のキリスト教は、大国の「植民地獲得の道具」ではありません)。

世界宗教を敵に回す中国共産党

というわけで、習近平がクリスマスを放置していても、中国共産党の脅威にはならないでしょう。しかし、「クリスマスを禁止する」のは、習政権にとって大問題になり得ます。なぜでしょうか?

キリスト教徒の数は、世界人口の3割を占め、現状「世界最大の宗教」です。キリスト教は、主に「カトリック」「正教会」「プロテスタント」に別れますが、「クリスマスを祝う」ことは共通しています。世界人口の3割を占めるキリスト教徒たちは、「中国政府がクリスマスを禁止した」と聞き、「やはり、中国は神の存在否定を強制する異常な国だ」と考えるでしょう。

さらに、中国はイスラム教のウイグル族を大虐殺している。イスラム教徒の数は、約19億5,000万人。世界人口の25%を占め、現状世界2位の巨大宗教です。つまり、習近平は、世界1位、2位の宗教、世界人口の55%を敵に回しているのです。これは、重要なことでしょうか?重要なことです。「ウォールストリートジャーナル」2020年12月24日付は、こう記しています。

中国のキリスト教徒の大半は都市部に住み、高学歴で、世界の情報網とつながっている。このため、キリスト教徒に厳しい圧力をかけることは、チベットや新疆、あるいは香港で起きたことよりもはるかに大きなダメージを中国の国際的立場に与えるだろう。共産党がキリスト教徒を迫害しているとの報道が広がれば、米国の世論への影響は甚大かつ長期に及び、米中関係の改善はおろか、安定への期待さえ消滅しかねない。

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