日本の「第6波対策」は正解か?コロナ禍と闘う長尾和宏医師の著作を紐解く

 

1年半に渡る日記、最後の記述は?

そんな長尾氏による約1年半に渡った日記だが、最後に綴られているのは2021年8月4日の記述。

そこには新型コロナの医療提供体制を巡り、重症患者などを除いて自宅療養を基本とする方針を政府が固め、今後与野党間で話し合われるというニュース記事が紹介され、これに対し長尾氏は「ようやく国が、重い腰を上げた」「僕がこの1年半言い続けたことが、ようやく実現に向けて動き出す」と、感慨を込めて述べている。しかしこの政府方針も、同時期に報じられた先述の厚労省による“格下げ検討”と同様、その後なんとなく話が立ち消えになってしまったのが、なんとも物悲しい。

とはいえ、最近のSNS上などの反応を見てみると、新型コロナの“5類格下げ”に関しては支持する声が市井で広がっている印象。さらに、21年12月に実施・公表されたという医師を対象としたアンケートの結果によると、新型コロナの感染症法上での位置づけに関して「今後状況の変化に応じて5類相当の位置付けに変更すべき」との回答が45%と最多を占めるなど、多くの医師の間でも現状を疑問視する見方が広がっているようだ。

また、新型コロナが感染症法上の指定感染症に位置づけられる期限が、2022年1月末までと迫っており、それ以降どのような扱いになるのかが未だ定まっていない状況。長尾氏が足かけ2年に渡って主張し続けてきた新型コロナの“5類格下げ”が、いよいよ実現する日も近いのか、否応無しに注目が集まるところである。

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image by: Rodrigo Reyes Marin / Shutterstock.com

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町医者、「長尾クリニック」名誉院長。1958年香川県生まれ。高校時代に実の父親が自死をしたことをきっかけに医者を目指すことを決意し、苦学して東京医科大学に入学。学生時代に無医地区活動に邁進したことから、地域医療に目覚める。1984年、大阪大学第二内科入局。1995年、尼崎に「長尾クリニック」を開業。町医者という名前に誇りを持ち、外来と在宅医療に邁進。『平穏死10の条件』『痛くない死に方』等ベストセラー多数。

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